多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『次のAndroidで「写真」が変わるってどういうこと?』という質問に答えます。
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Android OSの次期バージョン「Android 9.0」が8月7日に正式リリースされました。お菓子にちなんだ開発コード名がアルファベット順につけられるパターンを踏襲し、「Android P(ie)」と呼ばれます。現在のところ、Android Pにアップデートできる端末はPixelとPixel XL、Pixel 2、Pixel 2 XLの4製品に限られますが、年末に向け次第に増えてくることは確実です。
そんなAndroid Pの新機能のひとつに「HEIF(ヒーフ)」のサポートが挙げられます。HEIFはHigh Efficiency Image File Formatの略で、写真(静止画)だけでなく動画や音声も1つにまとめることができるファイル形式(コンテナファイル)を持ちます。Moving Picture Experts Groupにより標準化された国際規格で、iPhoneではiOS 11からサポートされています。
HEIFがAndroid OSでサポートされると、ストレージの節約になります。HEIFでは静止画/動画のコーデック(データ量を抑えるための符合化ソフト)として高圧縮率の「HEVC」を使用するため、まったく同じ写真でも従来のフォーマット(JPEG)に比べ50%前後のサイズに抑えられるのです。画質/画素数を落とさずファイルサイズを約半分に減らせるのですから、単純にメリットといえるでしょう。
iPhoneユーザとの写真のやり取りも効率化されます。これまでAndroid OSではHEIFをサポートしていなかったため、iPhoneで撮影した写真(HEIF)をAndroidへ送信するときにはJPEGに変換するしかありませんでしたが、Android PからはHEIFのまま送信できます。ファイルサイズが半分ということは、使用するパケットも半分になるわけですから、写真の送受信にかかる時間と通信費の節約にもなります。Android Pから写真が変わる、と言ってもいいほどインパクトのある新機能ではないでしょうか?