手頃な価格でGoogleのAIテクノロジーを楽しめる「Pixel 3a」「Pixel 3a XL」

手頃な価格でGoogleのAIテクノロジーを楽しめる「Pixel 3a」「Pixel 3a XL」

検索サービスとしてスタートしたGoogle。今や「Amazon」「Facebook」「Apple」と合わせ、『GAFA』と称される巨大企業として語られることが増えているが、スマートフォンのユーザーにとっては欠かせない存在であることも確かだ。スマートフォン向けのAndroidプラットフォームをはじめ、「Gmail」や「Googleマップ」、「Googleドライブ」「Googleカレンダー」「Google翻訳」「Chrome」など、さまざまなサービスを提供し、私たちユーザーはそれらを日常的に利用している。

「GALAXY Nexus」

そんなGoogleが手がけるスマートフォンがPixelシリーズになる。かつてGoogleは端末メーカーと共同で開発した「Nexus」シリーズというスマートフォンを提供してきた実績があり、国内でも「GALAXY Nexus」(サムスン製)、「Nexus 4」「Nexus 5」(LGエレクトロニクス製)や、「Nexus 6P」(ファーウェイ製)、「Nexus 6」(モトローラ製)などが発売された。Nexusシリーズは元々、開発者向けのリファレンス端末という位置付けだったが、いち早く最新のAndroidプラットフォームを体験できるため、国内でも人気を集めた。しかし、Nexusシリーズの端末はすでにプラットフォームのバージョンアップがAndroid 8.0/8.1で終了し、アップデートの保証期間も2018年11月に終了している。

手頃な価格でGoogleのAIテクノロジーを楽しめる「Pixel 3a」「Pixel 3a XL」

このNexusシリーズと入れ替わるような形でスタートしたのがPixelシリーズで、スマートフォンとしては2016年4月に初代モデル「Pixel」と「Pixel XL」が発表されている。しかし、翌2017年に発表された「Pixel 2」と「Pixel 2 XL」も含め、日本向けには発売されなかった。ようやく昨年の2018年11月に三代目モデルとなる「Pixel 3」「Pixel 3 XL」が発売され、Google自ら販売するほか、NTTドコモとソフトバンクのラインアップにも加わった。ちなみに、「Pixel」というシリーズ名は当初、Googleが手がけるChromebookなどに使われたが、現在はスマートフォンのみに付けられており、実質的にスマートフォンのシリーズ名として扱われている。

PixelシリーズがかつてのNexusシリーズと大きく方向性が異なるのは、Nexusシリーズが前述のように、リファレンスモデルとして開発されていたのに対し、PixelシリーズはGoogleが持つソフトウェア、ハードウェアの技術に、Googleアシスタントに代表されるAIテクノロジーを組み合わせることで、Googleが提供するさまざまなサービスや技術を最大限に活用できるスマートフォンとして、作り込まれている点だ。リファレンスモデルは実用性よりも開発者向けの『標準仕様』であることに重きが置かれるが、Pixelシリーズは幅広いユーザーをターゲットにした端末であるため、実際に使っていくための『機能』が充実している。

ハードウェアの設計・製造については、台湾のHTCが委託されていたが、2017年にGoogleが同社のスマートフォン部門を買収しており、現在はその部門がPixelシリーズを担当しているという。今回の「Pixel 3a」「Pixel 3a XL」は、昨年11月に発売された「Pixel 3」「Pixel 3 XL」の普及モデルに位置付けられており、基本的なコンセプトとデザインを継承しながら、筐体の素材を変更し、ハードウェアのスペックなどを抑えることで、手頃な価格を実現している。

上位モデルの「Pixel 3」「Pixel 3 XL」は昨年のレビューでも説明したように、非常に完成度の高い端末だったものの、価格が10万円前後だったため、なかなか手を出せない人も多かったと言われていた。今回は「Pixel 3a」が4万8600円、「Pixel 3a XL」が6万円と、上位モデルの半額近い価格が設定されている。これに加え、5月17日までに予約すれば、GoogleのPlayストアで利用できる5000円分のコードがもらえるうえ、購入者はYouTube Music Premiumを3カ月間、無料で試すことができる特典も用意される。