最近、「HEIF(High Efficiency Image File Format、ファイル拡張子は.heic)」という画像形式に対応したスマートフォンが増えています。先鞭をつけたのはiPhoneで、2017年公開のiOS 11から対応していますが、Android陣営では2018年公開のAndroid OS 9.0(Pie)からとなります。対応端末が登場するまでのタイムラグを考慮すると、AndroidのHEIF対応が始まったのは2019年からと言っていいでしょう。
HEIFのメリットは、そのデータ圧縮率にあります。コーデック(データ量を抑えるための符合化/復号化プログラム)として圧縮率に優れる「HEVC」を使用するため、これまで広く静止画の記録/再生に利用されてきたJPEGと比較すると、ファイルサイズを約半分に抑えることができます。画素数を変えずに同等の画質を維持できるので、採用するメリットは大です。
HEIFはDVDやデジタルテレビ放送に採用されている「MPEG-2」などと同様、Moving Picture Experts Group(MPEG)により標準化された国際規格です。スマートフォンだけでなくパソコン、テレビなどのデジタル家電でも対応が進んでいますから、HEIFで記録するデジタルカメラが登場するのも時間の問題でしょう。
Android端末のHEIF対応はどうかというと、2019年9月現在、OS標準の機能としては「表示のみ可能」という状況です。Androidのカメラ機能は基本的に端末ベンダーが仕様を決定するため、HEIFで記録可能な端末が存在しても不思議はありませんが、JPEGのみ、またはJPEGとRAW(DNG)の2択という端末で占められています。HEIFで記録できればストレージの節約にもなるため、今後登場する端末に期待しましょう。