いまさら説明するまでもないが、ファーウェイを取り巻く状況は、日一日と厳しさを増している。ファーウェイが米商務省の「エンティティーリスト」に加えられたことに端を発し、スマートフォンづくりに必要な部品の調達が、今後困難になることは確実だ。さらにGoogle PlayストアやGmailをはじめとしたGoogleサービスの利用、Android OSのアップデートなども、今後サポート外になる可能性がある。また、英ARMが同社との共同開発から手を引くと宣言したことで、ファーウェイ傘下のハイシリコンが開発する独自プロセッサー「Kirin」の先行きも不透明になった。さらにはSDカードの標準化団体、SDアソシエーションからもファーウェイの名前が消えたという。今後、同社の端末でSDカードが使えなくなる可能性が高い。文字通り、瞬く間にファーウェイ包囲網が敷かれた印象だ。こういったリスクを予測してか、キャリアの反応は早かった。ソフトバンクとKDDIは、発表されたばかりの新製品の発売を延期。予約受付も中止した。今夏発売予定としていたドコモも、新規の予約受付を止めた。さらに楽天モバイルなどMVNO事業者の一部も、P30シリーズの発売延期を発表した。そして、ファーウェイにとってかなりのダメージになったと思われるのは、Amazonが直販を中止したことだ。Amazonは「OSに重大な懸念がある」とし、新製品のみならず、スマホ旧モデルやタブレット、ノートPC、スマートウォッチに至るまで、全製品の直販を取りやめる徹底ぶりを見せている。そんな中、同社の最新スマホ「P30」シリーズが、5月24日に発売された。現在、ヨドバシカメラやビックカメラなどの量販店やECサイトでは販売されているが、ヤマダ電機など一部量販店は発売を見合わせている。果たしてその出来映えはどの程度か。シリーズのエントリーモデル「P30 lite」を購入し、実際に試してみた。
ファーウェイ「P30 lite」■巧みなパッケージング、トータルバランスの高さP30 liteの、ヨドバシカメラでの販売価格は35,510円(税込)。10%のポイント還元があるため、実質3万円と少しで購入できる計算になる。1日じっくり使って感じたのは、そのコストパフォーマンスの高さだ。細かなところにコストダウンの跡を感じるものの、トータルの体験として、大きな穴がない。隅々までバランスが取れており、パッケージングの巧みさに感心させられた。本体の幅は72.7mmと、iPhone XSやXRなどとほぼ同程度で、持ちやすい。画面は約6.15インチのFHD+(2312 x 1080ピクセル)液晶で、画面占有率は高い。旧モデルのP20 liteにあったHUAWEIロゴは背面に移動し、ノッチの面積もさらに狭くなった。すっきりとしたデザインで、画面に没入できる。ノッチはあるがほとんど気にならないサイズだ販売中止相次ぐファーウェイ新スマホ、購入して使ってみた (1/3) - PHILE WEB
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