11月14日、ファーウェイは新製品「HUAWEI nova 5T」を発表した。
発表会終了後、ファーウェイの日本・韓国リージョンプレジデント・呉波氏のラウンドテーブルが行われた。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2019年11月18日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額500円・税別)の申し込みはこちらから。
この1年、ファーウェイにはアメリカからの逆風が吹いている。エンティティリストに入ってしまい、日本市場でもキャリア向け製品をまともに出せな時期もあった。
しかし、グローバルでの端末出荷台数は昨年よりも速いペースで2億台を突破。日本においても2019年1月〜10月のスマートフォン市場におけるシェアがキャリアとSIMフリーで3位、SIMフリーのみでは1位であることが明かされた。禁輸措置があっても販売台数は堅調であるようだ。
しかし、気になるのが今後の行方だ。
発表会ではファーウェイの独自プラットフォームであるHMS(Huawei Mobile Service)を熱心に紹介。日本の開発者を支援していくとして、12月にはイベントを開催するとした。
この場でファーウェイのプラットフォームをアピールするところを見ると、Androidに見切りをつけたようにも感じる。そのあたりを呉波氏にぶつけたところ「スマートフォンに関しては、今後もGoogleのサービス(GMS)を継続利用していくことを考えている。もちろん、Googleとの関係も良好だ。しかし、アメリカ政府によって、これらを利用することができないという判断が下されれば、弊社としては自社のOSを採用し、パートナー企業と一緒にエコシステムを作っていかないといけない。これがHMSだ」と語る。
ファーウェイの本音としては「AndroidとGMSを使い続けたい」のだが、状況によっては仕方なくHMSにせざるを得ないかもしれないというスタンスだ。
一部の欧州やアジア諸国では、Mate30シリーズが発売されている。
例年であれば、MateシリーズはソフトバンクやSIMフリーで発売されるタイミングであるが、残念ながら、今年はまだそういったアナウンスは聞こえてこない。
やはりHMSであるため、日本で発売できないのだろうか。
呉波氏は「Mate 30 Proの日本投入は現在、検討中だ。しかし、その検討内容はHMSという問題でなく、5G搭載モデルを投入したいという検討だ。Mate 30 Proの4G版を日本に展開するつもりはなく、5G商用サービスが始まる2020年春の導入を目指している」という。
もちろん、投入される際にはGMS対応となる予定だ。
ファーウェイとしては現在発売している製品、今後発売する製品もGMS対応だとアピールするが、いまだに米中間の関係はすっきりとしたものにはなっていない。
Mate 30 Proの5Gモデルを安心して購入、使用を続けられるようになるためにも、2020年春までには米中問題が片付いてほしいものだ。