グーグル東京新オフィス(の一部)潜入レポート

グーグル東京新オフィス(の一部)潜入レポート

グーグル日本法人が、東京・渋谷駅近くのビル「渋谷ストリーム」に新たなオフィスを構えた。今回、10月から稼働し始めたという新オフィスを訪問、その一部をご紹介しよう。

エントランス

渋谷駅すぐそばにある渋谷ストリーム。さまざまな店が並ぶフロアのすぐ上に、グーグルの新オフィスの受付がある。

ビルの案内に「グーグル」

エントランスには大型ディスプレイが用意され、グラフィックと「こんにちは」といったワードで訪れる人を出迎える。さらに進むと受付エリア。目に飛び込むのは、大きな犬のぬいぐるみ。よく見るとその首には「ハチ」とある。そう、渋谷だけにハチ公のぬいぐるみが置かれているのだ。

大型ディスプレイでお出迎えハチ公のぬいぐるみでお出迎え

受付エリアの天井にはなにやらアーチ型のものがある。これは、渋谷ストリームの場所にかつて存在した東急東横線 渋谷駅のかまぼこ屋根をモチーフにしたものだという。

東急東横線渋谷駅の屋根をモチーフにグーグル社内からぱちり

新オフィスのエントランスは、受付エリアに加え、スタートアップ支援拠点の「Google for Startups Campus」が設置されている。2012年に英国ロンドンで初めて開設された“キャンパス”の東京版で、世界で7カ所目になる。

Google for Startups Campus

現在は試用中で、2020年2月から、正式なプログラム(Google for Startups Accelerater)が始動する。AIを活用するスタートアップ企業向けのプログラムで、スタートアップは3カ月間、集中して活動できる。グーグル側からは、会議室などのオフィス環境だけではなく、トレーニング、メンターなどが用意される。

いざ新オフィスへ入るべく、エレベーターに乗り込もうとすると、グーグル広報さんがボタンじゃないところを指さしている。

何だろう? と思ってみると「NO DOGS ALLOWED」とある。いわば「犬お断り」という案内だ。なぜ、わざわざそんな案内が? と不思議に思っていると、広報さん、別の場所を指さす。そこには「Dogs allowed」。なるほど、こっちのエレベーターは犬同伴OKなんですね。

ということは……そう、以前のオフィスと異なり、渋谷新オフィスは、犬の同伴出勤が許されているそう。

本誌では、10月、Google検索で動物のAR表示機能を紹介する記事において、「GoogleはDog company」というエピソードをご紹介した。

「Google検索で動物のAR」登場するのは全部で29、その種類をよく見たら

犬への愛情をうたっていた米国本社のポリシーが今回、日本法人オフィスにも導入されたことになる。

エレベーター内にあるDog Policy

グーグルと言えば、見逃せないのがその社食スペース。しかし今回の取材では撮影NGであり、残念ながら誌面ではご紹介できない。

グーグル東京新オフィス(の一部)潜入レポート

その空間はかなり広い。今回はちょうどランチタイムに訪れることができたが、その時間帯は、いつもかなり混み合うそう。

複数の温野菜やパスタ、ピザなどの料理が並び、好みのものをチョイス。さらにサラダバーで生野菜も摂取でき、気づけば皿の上にかなりの量を盛ってしまい、食べ過ぎてしまいそうになる魅力的な空間だ。

食後のコーヒーを楽しめるよう専用のカウンターが用意されており、そちらにはクッキーなども完備されている。

オフィス内には、社外の人とともに活動するためのコラボレーションスペースも用意されている。こちらもかなりの広さだ。

こちらはコラボレーションスペース

新オフィスの一角には、グーグルが手がけるハードウェアが並ぶ、こじんまりとした部屋がある。その名もハードウェア デモ スペース。

ハードウェア デモ スペース。空いている棚が今後の製品群の増加を予感させるスマートスピーカーやPixelシリーズが並ぶ

大きなテレビ、ソファも設置されており、スマートフォンだけではなく、ホームIoTの中心に位置するスマートスピーカー、スマートディスプレイを体験できるスペースでもある。

壁には、開発にあたってデザイン面の検討で用いられたラフスケッチなどが飾られている。10月に都内のデザイン・アートのイベントで展示されたものが、そのまま東京の新オフィスに残されている。

「Pixel 4」と「畳」の意外な関係――グーグルが新製品のデザインを解説

  • グーグルが「DESIGNART TOKYO 2019」へ出展、テクノロジーと日常の「間」をテーマに

  • そうした中に用意されていたのが、リテールボックスと呼ばれる、透明なプラスチックでできた箱。内部は大きく2つの空間に分かれている。一方にはいわゆる星の砂が入っている。所定の場所にPixel 4を置いてカメラを起動する。そしてズームしていくと星の砂をきれいに捉える様子がわかる……という流れだ。

    もう一方の空間は、黒く覆われていてのぞき込んでも何も見えない。しかし、Pixel 4のカメラを起動し夜景モードで撮影してみると、中にある写真が見えてくる。グーグルのAIの力を味わえる仕掛けだ。

    さらに外側には、海外の料理店のメニューらしき画像がある。これもGoogleレンズでリアルタイムに翻訳される様子を体験できるよう用意されたもの

    リテールボックスは、Pixel 4を取り扱うソフトバンクショップや量販店の一部に置かれ始めているそう。Pixelの力を体験できるちょっとした機会になりそうだ。

    今回、世界をリードする企業の日本法人がどういった環境なのか、ごくごく一部ながらご紹介した。一般には公開されていないが、私たちの使うサービスを生み出す人々と、そうした人々が新たなサービスを創り出す場をわずかでも感じ取っていただければ幸いだ。

    会議室のあるフロアこの会議室の名前は「土」だった「土」の内部廊下には植物の茂るスペースも歴代のエイプリルフールで紹介されたGoogle日本語入力の実機2010年4月のドラムセット版日本語キーボード

    グーグルにとっては、米国から飛び出て最初に拠点を構えた場所が渋谷だった。その後、六本木にオフィスを構え、今回、あらためて渋谷に戻ってきたことになる。新たにスタートアップを支援するスペースも設けられるなど、日本市場への取り組みが強化されることになりそうで、今後、渋谷から発信される取り組みにも引き続き注目していきたい。

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