通勤にJR線を利用している筆者は、運行状況の確認などに同社の公式アプリ「JR東日本アプリ」をよく使う。遅延や運休などの状況はWebサイトやSNSでも十分確認できるが、このアプリがあれば首都圏の主要路線なら列車の走行位置も確認でき、時刻表が当てにならない遅延時などに「次の電車はいつ頃来るのか」を予測するには便利だからだ。
JR東日本アプリ(Android版)非常に多機能なアプリなのだが、通信量が多く起動時のデータ取得に時間がかかるという弱点がある。そのあたりは織り込み済みなのだろう、複数の路線で大規模な遅延が生じている時など、アクセスが集中している時には最低限の機能のみとなる「簡易モード」が用意されている。
筆者の場合、このアプリで日常的に使っているのは先述の「運行情報」「列車位置情報」の2つの機能だけだったので、アクセス集中時に限らずもっとシンプルに使える軽量なアプリが欲しいと思っていた。大手キャリアの高速な回線であれば多機能なアプリでも不自由しないのだが、サブ端末で使っているMVNO回線では、時間帯によっては読み込みに苦労することも少なくない。
そんな時に知ったのが、JR東日本が提供しているもう1つのアプリ「GO! by Train」だ。iOS版は2017年11月、Android版は2018年5月に公開されている。JR東日本アプリの改良を目指す「JR東日本アプリリニューアルプロジェクト」から生まれた新アプリで、本家アプリと比べると非常にシンプルに仕上がっている。
GO! by TrainGO! by Trainは経路検索、運行情報、列車走行位置の3機能に絞られていて、画面下のタブで各機能を速やかに行き来できる。機能がそぎ落とされている分だけ起動も動作も速く、これならMVNO回線やミドルレンジ以下の端末でも使いやすいだろう。筆者の場合、ソフトバンク回線の「AQUOS zero」では多機能なJR東日本アプリ、MVNO(LINEモバイル)のSIMを入れている「HUAWEI nova lite 2」では最低限の項目をすばやく確認できるGO! by Trainと使い分けている。
「GO! by Train」の経路検索は眺めているだけでも楽しい軽さと並んでUIの美しさも気に入っている。中でも筆者のお気に入りは「経路検索」。1画面に最大5つのルートがまとめて表示されるのだが、各線のラインカラーを使って色分けされたグラフィカルな表示で、各ルートの出発時間や到着時間などの数字をじっくり見なくとも、到着の早いルートや乗換回数の少ないルートが視覚的に分かるのは心地良い。JR東日本アプリを使っている人にはぜひ試してみて欲しい。