格安SIMとSIMロックフリースマートフォンがセットで購入でき、しかもそれぞれを別々に購入するよりもお得なIIJmioの「コミコミセット」。これまで、IIJ(インターネットイニシアティブ)は同サービスをトライアルで提供していたが、2018年2月1日に正式サービス化。月額2980円(税別、以下同)のプランを追加し、選べる端末も増加した。
月額料金は端末代込みで1880円から。ASUSの「ZenFone 4 カスタマイズモデル」や、Huaweiの「nova lite 2」といった人気機種のラインアップがそろい、格安SIMに乗り換えるのならぜひとも活用したいプランだ。そのお得度をチェックしていこう。
格安スマホでは、月額1980円、2980円といった料金が主流になりつつある。この料金には1GB〜2GB程度のデータ通信に、5分程度の通話定額が含まれているのが一般的だ。この料金体系は、大手キャリアのサブブランドがリードする形で、MVNOにも徐々に普及し始めてきた。データ通信と通話定額がセットになっているため、料金の見え方がシンプルで、しかも大手キャリアと比べると割安ということもあり、人気を博している。
ただし、実際にはこの金額以上の月額料金がかかることも少なくない。1980円、2980円というのは、あくまで通信料の話。端末を24回などの分割払いにしてしまうと、追加の料金がかかるケースもある。毎月の割引を含めるとプラスマイナスで0円になる端末もあるが、最新の人気機種が選べないなど、選択肢が限られてしまいがちだ。総額でいくらになるのかが、端末を選ぶまで確定しないのも、利用者にとって分かりづらい部分といえる。
IIJmioのコミコミセットは、こうした不満を解決する料金プランだ。料金は月額1880円からで、選ぶ端末によって3段階に料金が変動する。最安のモデルを選べば、端末代込みで1880円になるというのは非常にお得だ。端末を選ぶだけで総額が簡単に分かるのも、コミコミセットがユーザーフレンドリーなところといえる。
料金プランは、月額1880円、2480円、2980円の3つ。選ぶ端末によってどの料金になるかが決定する仕組みだ。利用開始月は、月額料金1600円が日割りとなり、端末代金と通話定額オプションの費用が満額発生するが、利用開始の翌月から12カ月目までは、月額1880円、2480円、2980円で利用でき、13カ月目から23カ月目まではそれぞれ2880円、3480円、3980円と1000円ずつ料金が上がる。24カ月目以降は端末の支払いが終わるため再び料金は下がり、3つのプランのどれを選んでいても、2200円になる。
コミコミセットの主な利用料金では、コミコミセットは、端末代以外だと何が“込み込み”なのか。1つは、音声通話機能付きSIMの月額料金だ。料金プランは、月額3GBまでデータ通信を利用できる「ミニマムスタートプラン」になる。これに、3分間の国内通話(※)が無料になる準通話定額の「通話定額オプション(かけ放題)」が付き、上記のような料金になる。
3GBだと容量が足りないという人は、料金プランを変更することも可能。料金プランの差額を支払うだけで、月6GBの「ライトスタートプラン」や、月10GBの「ファミリーシェアプラン」に変更できる。また、音声通話の定額になる時間が、もっと長い方がいいという場合も、上位のプランに変更できる。230円の差額は発生するが、10分間の通話が無料になるため、長電話が多い人でも安心だ。
※みおふぉんダイヤルを利用した国内通話が対象コミコミセットは、選べる端末(スマートフォン)のバリエーションに富んでいるのが魅力だ。一部例外もあるが、値段が上がるごとにスペックの高い機種を選べるようになっている。
1880円のプランで選べる端末はエントリーモデルが多く、スマートフォンを初めて使う人や、コスト重視の人にオススメできる。このプランで選択できるのは、VAIOの「VAIO Phone A」、ASUSの「ZenFone Live」、そしてHuaweiの「nova lite 2」だ。
「VAIO Phone A」(写真=左)と「ZenFone Live」(写真=右)「nova lite 2」VAIO Phone Aは、PCでおなじみのVAIOが開発した初のAndroidスマートフォンで、VAIOのデザインテイストを引き継いでいるのが魅力。アルミを削り出したボディーの質感が高く、スペックも充実している。しかも知る人ぞ知る「安曇野FINISH」モデルだ。
ZenFone Liveは5型と比較的コンパクトなスマートフォンで、インカメラでライブ中継する際に、リアルタイムで「美人エフェクト」かけてくれるのが特徴だ。
nova lite 2は、機能と価格のバランスがいいと評判だったnova liteの後継機。初代のnova liteは、MVNO限定で発売され、大ヒットを記録した。後継機となるnova lite 2は、18:9とディスプレイが広く、この価格帯でダブルレンズを搭載して一眼レフ並みにカメラ機能も優れたモデル。セルフィーにも強く、価格も抑えられているため、先代のnova lite同様、人気になりそうなスマートフォンだ。
2480円のプランでは端末のスペックが上り、さらに便利な機能を利用できるようになる。既にスマートフォンをある程度使いこなしていて、どうしても手放せない機能があるという人にオススメできるラインアップだ。
「arrows M04」(写真=左)と「AQUOS sense lite」(写真=右)「ZenFone 4 Selfie」この価格の機種は富士通の「arrows M04」、シャープの「AQUOS sense lite SH-M05」、ASUSの「ZenFone 4 Selfie」の3機種で、前2機種はおサイフケータイに対応。arrows M04は防水や耐衝撃性能をサポートしており、AQUOS sense lite SH-M05も防水に対応して指紋センサーを搭載する。またMVNO取扱店限定のプレミアムカラー「ピンク」も選択できる。
ZenFone 4 Selfieは、インカメラが2つのデュアルカメラ仕様で、標準と広角を切り替えられる。グループで自撮りをする際に、便利なスマートフォンだ。
2980円のプランには、ハイエンドな端末がそろう。スマートフォンをフル活用する、ヘビーユーザー向けのラインアップといえる。選べる端末はASUSの「ZenFone 4 カスタマイズモデル」、Huaweiの「honor 9」、トリニティの「NuAns NEO [Reloaded]」の3機種だ。
「ZenFone 4 カスタマイズモデル」(写真=左)と「honor 9」(写真=右)「NuAns NEO [Reloaded]」ZenFone4 カスタマイズモデルは、パフォーマンスの高さや、標準と広角を瞬時に切り替えられるデュアルカメラが魅力。レンズのF値も1.8と明るい。
honor 9はHuaweiの最上位モデル顔負けのスペックで、こちらもデュアルカメラを搭載。モノクロで精細な写真を撮れたり、背景をきれいにぼかせたりするのが特徴だ。
NuAns NEO [Reloaded]は、おサイフケータイ対応で、背面のカバーを自由に組み合わせられるのが最大の特徴。いわば着せ替え可能なスマートフォンで、その日の気分や季節に合わせて、本体をコーディネートできる。
利用開始月(※) | 2〜12カ月目 | 13〜23カ月目 | 24カ月目 | 25カ月目以降 | |
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VAIO Phone A | 2925円 | 1880円 | 2880円 | 2155円 | 2200円 |
ZenFone Live | 2950円 | 1880円 | 2880円 | 2130円 | 2200円 |
nova lite 2 | 3150円 | 1880円 | 2880円 | 1930円 | 2200円 |
arrows M04 | 3580円 | 2480円 | 3480円 | 2100円 | 2200円 |
AQUOS sense lite SH-M05 | 3480円 | 2480円 | 3480円 | 2200円 | 2200円 |
ZenFone 4 Selfie | 3480円 | 2480円 | 3480円 | 2200円 | 2200円 |
ZenFone 4 カスタマイズモデル | 3980円 | 2980円 | 3980円 | 2200円 | 2200円 |
honor 9 | 3980円 | 2980円 | 3980円 | 2200円 | 2200円 |
NuAns NEO [Reloaded] | 3980円 | 2980円 | 3980円 | 2200円 | 2200円 |
※日割りで満額請求の場合 |
人気の端末と格安SIMがセットになり、しかも音声通話の定額オプションまで付いてくるコミコミセットは、分かりやすさが魅力だ。特にオススメしたいのが、格安SIMを初めて使うユーザー。MVNOは数も多く、しかもそれぞれの会社が多彩な料金プランを用意しているため、選択肢が豊富で比較検討して選べる半面、初めての人はどれを選んでいいのかが分かりづらい。コミコミセットなら、端末を選ぶだけで自動的に料金が決まるため、難しいことを考えずに契約できる。
端末を選んで申し込めば、通信料込みの料金が自動で計算される端末のラインアップも、最新かつオススメのものがそろっているので、安心して選べる。端末とSIMカードを別々に買うと、支払先が分かれて管理が面倒だったり、店舗によっては端末が一括払いでしか買えなかったりすることもあるが、コミコミセットならそんな心配も不要。支払先は全てIIJになり、ユーザーの手間も軽減される。
とはいえ、それで料金が上ってしまうこともない。むしろ、割引があるため、コミコミセットにした方が、端末とSIMカード、通話定額オプションを個別に申し込むより、お得になる。
例えば、IIJmioで音声通話機能付きのミニマムスタートプランを選ぶと、月額料金は1600円。ここに月額600円の3分間の通話定額オプションを付けると、月額料金は2200円になる。VAIO Phone Aを24分割で買うと、IIJmioでは月額725円で、合計の月額料金は2925円だ。
コミコミセットだと1年目は月額1880円なので、SIMと端末を個別に契約、購入するよりも1000円以上安くなる。これなら、格安SIMを初めて使う人はもちろん、既に格安SIMを使っていて、IIJmioに乗り換えたいという人にもオススメできそうだ。
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