ガールズ&パンツァーとの衝撃のコラボから1年。今度は『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』とのコラボを引っ提げて開発中の新作『World of Warships』をお披露目したWargaming.net。
今回は、東京ゲームショウ2014のウォーゲーミングジャパン・ブースにてWargaming.net社CEOのビクター・キスリー氏をはじめ、キーマンの方々から広くお話を伺った。ガルパンコラボの手ごたえ、アルペジオとのコラボ経緯など興味深いエピソード満載でお届け!
昨年に引き続き、Wargaming.net社CEOのビクター・キスリー氏に直撃インタビュー
キエフの『World of Warplanes』開発拠点は無事!Wargaming.net社ビクター・キスリーCEOインタビュー
―― ウクライナ情勢は未だ不透明ですが、本国や開発拠点に影響はありましたか?(註:ベラルーシはウクライナと国境を接している)
VICTOR KISLYI 「ウクライナが緊迫した情勢になっているのはとても悲しい事実ですね。ただ1つ良いニュースとしては、ベラルーシの首都ミンスクで解決策についての話し合いが行なわれているということです。
『World of Warplanes』の開発拠点がウクライナのキエフにありますが、キエフ自体は戦地から遠く離れた場所にあるので、それほど影響はありません。もちろん弊社はゲーム会社ですので、戦争行為に対するサポート的な活動は一切行なっていませんし、現在の事態が可能な限り早く終息することを祈っています」
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ご覧の通り、ベラルーシは南の国境でウクライナと隣接している。8月から9月にかけては、首都ミンスクでの交渉がたびたびニュースに取り上げられていたので、気になっていた人も多いだろう。
モバイル版『BRITZ』のユーザー数は日本が全世界2位!CEO「息子にガルパン全話見せようと思っています」
―― 日本ブランチ(支社)の設立から1年経ちました。1年目とはいえ、毎月何かしらのイベントを開催する怒濤のキャンペーン攻勢でしたね。手ごたえはありましたか?
KISLYI 「現在、日本ブランチが出してきた結果についてはとても満足しており、会社としての判断で日本にオフィスを構えたことは大成功だったと思っています。
1つ数字を出させていただくと、『World of Tanks BLITZ』における日本のユーザー数は、現在ロシアに次いで第2位なのです!
そして、成功例として私が一番興味深いのは、『ガールズ&パンツァー』とのコラボレーションですね。例えば今回お配りしているマンガ冊子やムック本など、全世界でもこれほど充実した内容で、さらにアニメとコラボしている例はありません。とても興味深く、そして凄いことだと思っています。
そして本日13時(取材は18日に行なった)には、さらに大きなコラボの発表が待っていますので楽しみに待っていてください(笑)」
TGSビジネスデー1日目に『World of Warships』とアニメ『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』のコラボレーションが発表された
―― 日本と世界で、プロモーションの方向性が異なることについて意外ではありませんでしたか?
KISLYI 「私自身は日本に住んでいませんので、こういったことには正直疎いのですが、まさにそれこそが日本にオフィスを構えた理由の1つです。
こういったアニメとのコラボなども日本スタッフのほうが詳しいので、日本ブランチにすべてを任せ、そしてそこからフィードバックをもらって学んでいる毎日です。
私には6歳になる息子がいるのですが、実はまだ成長期ですのでWorld of TanksやBLITZをプレイさせていません。ただ、今回の東京ゲームショウから帰ったら、息子にガールズ&パンツァーを全話見せようと思っています(笑)」
―― World of Tanksの日本本格参入からも1年経ちましたが、昨年の東京ゲームショウではアカウントの25~30%がプレミアムアカウントだと仰りました。その後はどのような推移を見せていますか?
KISLYI 日本はとても成長が早い市場で、わが社としても日本の伸長にはとても驚かされています。(プレイヤー数に対する)プレミアムアカウントのパーセンテージとしてはそれほどの変化はないように思いますが、全体のプレイヤー数が大幅に増えている傾向にあるので、結果としてプレミアムアカウントの登録数も大きく増えています。
興味深いのが、World of TanksのPC版はアメリカのほうがユーザー数は多いものの、モバイル版のBLITZでは逆に日本のほうが多いのです。そして日本では戦車より艦船のほうが大きな知名度を持っているので、World of Warshipsについては日本はかなり上位のユーザー数を獲得できると見込んでいます」
World of Tanks BLITZは、iOS版オンリーにもかかわらず1ヵ月で500万DLを記録した。ユーザー数は日本がロシアに次いで2位だという。そしてTGSではAndroid版も開発中と発表された
―― ユーザー獲得目標は?
KISLYI 経験上、そういった数字を出すのは非常に難しいと判っているので、我々としてはあくまで最高のクオリティのゲームを提供することだけを目指していきたいですね。
わが社は“Free to Play”“Free to Win”そして各地域へのローカライゼーションを方針としていますが、そのために世界の各地域に支社を設け、その地域の特色に慣れた人間を配してゲームを提供しているわけです。そういった活動を地道に続けていけば、必ず成功するということを確信しています」