MacBookにキーボードカバーを使ってはいけない理由

MacBookにキーボードカバーを使ってはいけない理由

ライフハッカー[日本版]2021年10月25日掲載の記事より転載

MacBookのキーボードは、想像以上にデリケート。

水分をこぼしたら一発アウトなのは言うまでもありませんが、ちょっとしたごみでキーが死んでしまうこともあるのです。

そんな状態ですから、キーやMacBook本体を守るため、キーボードカバーをしたくなる気持ちはわかります。でも気を付けて。キーボードカバーは、むしろMacBookに悪影響を及ぼす代物です。

キーボードカバーはMacBookのディスプレイを傷つける

カバーを使うと、それまでキーボードの心配に費やしていた時間を、今度はディスプレイへの心配に費やすことになるかもしれません。

MacBookのディスプレイは非常に優れていますが、一方で壊れやすいという弱点があります(ご存じのとおり、すぐに汚れちゃいますよね)。

指紋や水滴がシミとして残り、なかなか落ちません。そこにキーボードカバーが追い打ちをかけるのです。

手にしてみればわかるように、Appleが作るラップトップは、非常に薄い構造になっています。

その設計上、ラップトップを閉じたとき、キーボードとディスプレイの間にはわずかな隙間しかありません。

空気以外がそこに存在する余地はないのです。

キーボードカバーは確かに薄いです。ですが、そこまで薄くはありません。

そのためMacBookを閉じると、次に開けるまでカバーとディスプレイが触れた状態が続きます。

すぐに、他の汚れに交じって、QWERTYという文字がディスプレイにうっすらと見えることに気が付くはずです。それはとても醜い状況です。

MacBookにキーボードカバーを使ってはいけない理由

もちろん、キーボードを守るためという大義名分があるので、多少の醜さはやむなしとする考え方もあるでしょう。

都度、ディスプレイを拭けばいいだけじゃないかと。でもときに、手遅れになることもあります。消せないほどの跡になってしまうと、もう元には戻せません。

隙間が狭いので、ディスプレイに何回も接触があると、トラブルになりかねません。ですからAppleは、キーボードカバー、パームレスト、カメラカバーなどは、MacBookを閉じるときに外すように忠告しています。

どうしてもカバーを付けるなら、MacBookの蓋を閉める前にカバーを外す習慣を付けるといいでしょう。

とはいえカバーの悪影響は、それだけではないのです。

キーボードカバーでMacBookが熱くなる

M1 MacBook AirやMacBook Proをお使いの人は、そこまで本体が熱くなることはないかもしれません。

でも、古いMacBookを使っているその他大勢にとっては、ときにトーストが焼けるほどに熱くなることがあると思います。

原因はいくつも考えられますが、対策もたくさんあります。中でもいちばんかんたんな対策が、キーボードカバーを使わないこと。

ファン付きのMacBookの場合、ファンの力でマシン内の空気を移動させ、熱い空気をMacBookの部品から遠ざけることで温度をコントロールしています。

その際、キーボードは、冷たい空気を取り込むためのエリアとして機能します。

つまり、そこにカバーがあると、MacBookは必要な空気を取り込めません。その結果、熱い空気を外に押し出す力が妨げられてしまうのです。

このケースは、MacBookの全モデルに当てはまるわけではありません。ファンの付いていないモデルもあるからです。

たとえば、「MacBook」というモデルや「M1 MacBook Air」にはファンがありません。

その場合、カバーによる過熱を心配する必要はないでしょう。とはいえ前述の理由で、ふたを閉じる前にはカバーを外すことをお勧めします(ただし、それを忘れがちなのは言うまでもありません)。

ファン付きのMacBookをお使いなら、過熱を心配しながらキーボードカバーを使うほどの価値はありません。

それよりも、ラップトップの近くで食べない、あるいは食べるときは蓋を閉じるといった対策をしてみてはいかがでしょうか。

なんて、そんな忠告を守れるはずもないですよね。私だってたぶん無理です。

でも少なくとも、そうすべきであることだけは認識しておいて損はありません。