MacとiPadをひとつのマウスで行き来できるなど。
今日のWWDCでは、新たなmacOSがまたカリフォルニアの地名にちなんでmacOS Monterey(モントレー)だと正式発表されました。この名前は噂にものぼってたのでまあ想定内でしたが、今回の発表にはサプライズもあって、Macユーザーの生活の質は向上しそうだし、大きな新機能もあります。
以下、Montereyをご紹介していきますね。デベロッパー版ベータは今日リリースされてますが、パブリックベータが7月、正式リリースは秋の予定です。
macOSのiOS化は続く
今日のAppleの発表には、iOSとiPadOSの新機能の中で、Macにも持ち込めるものがいくつかありました。たとえばFaceTimeの新機能や、友だちとのメディア共有のSharePlay、友だちが送ってくれたリンクやメディアをいろんなアプリで目立つように見せてくれる「あなたと共有」、集中する時間を作りだす「フォーカス」、メモアプリのオーバーホール、などです。
すべてをモバイルでもパソコンでもだいたい同じように動かせる、というのが今日の発表全体に流れるテーマでした。
ユニバーサルコントロールでiPadとMacが結婚
そこで次に来るのが、macOSへの最大の追加機能、ユニバーサルコントロールです。これによってひとつのキーボードとマウスでiMacもMacBookもiPadも連係させながら操作できます。Appleのシニアバイスプレジデント、クレイグ・フェデリギ氏のデモでは、マウスがiPadからMacBookへ、iMacへと流れるように移動し、まるで全部がひとつのマシンにつながったモニタみたいでした。設定や接続は不要で、ただmacOSデバイスの横にiPadを置いてマウスを使えばいいんです。
iPadをセカンドディスプレイにすること自体はだいぶ前からできてますが、ユニバーサルコントロールはその連係を一歩深め、端末間でのファイルのドラッグ&ドロップも可能にしました。MacBookのトラックパッドでiPadのジェスチャーコントロールをするのもOKです。何がどうなってるのかわかりませんがとにかくできてしまうし、だからこそ素晴らしい、少なくともデモではそんな印象でした。
AirPlayとショートカットがMacにも
MacからTVやスピーカーにメディアを共有できる機能、AirPlay。それがこれからはある意味逆にも動きます。つまり、モバイルデバイスからMacにキャストできるんです。なのでMacのスピーカーでスマホの音楽を流したり、FaceTimeに加わったポートレートモードをMacの大きな画面を使って見たり、といったことが可能です。
あとはiOSのIFTTTライクな自動化機能、ショートカットがmacOSにもやってきます。既存のAutomatorアプリもなくなりはせず、Automatorのタスクはショートカットのフレンドリーなインターフェースにインポート可能です。出来合いのショートカットライブラリもあるので、自分がいつもセットでやっている操作がすでに入ってるかもしれません。他のアプリ同様、ショートカットも友だちや同僚と簡単にシェアしやすくなっています。
Safariの大オーバーホール
今日の発表で、Safariに関しては見た目の変化が目立ってましたが、機能的にもいくつかアップグレードがあります。デザイン変更の主眼は、コンパクトなタブやよりすっきりしたブラウザバーなどを使い、レイアウトのスペース効率を高めることにあります。
Safariの最大の新機能は、「タブグループ」です。それは文字通りタブのグループ化機能で、ブラウザ左サイドのツールバーでカテゴリを追加し、タブをテーマごとにまとめられます。大きな旅行とか高額な買い物とかで時間をかけてリサーチしてるときは、タブグループを使えば、いったん閉じても後でまた開き直して、作業を途中から再開できます。
タブグループはiOSでも使えるようになりますが、Safariファンにとってうれしいのは、モバイルでも機能拡張が使えるようになることでしょうね。
なんだiOSとmacOSは今回もひとつにならなかったのか、って思う人もいるかもしれませんが、それでも今回もちょっとだけ、前進はしました。