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エンガジェット日本版 ファーウェイが世界最大のフラッグシップストアをオープンした狙い

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ファーウェイは中国・上海に世界最大規模となるフラッグシップストアを6月24日にオープンさせました。場所は上海でも有数の観光地の南京東路、すぐそばにはアップルとサムスンの巨大店舗も店を構える一等地です。しかも敷地面積は5000平方メートルという世界最大級の規模を誇ります。

ちなみに世界最大規模といわれるドバイのアップルストアは5000平方スクエア=4650平方メートル。上海のファーウェイフラッグシップストアがそれを上回る広さなのは確かなようです。

それではどれほど巨大なお店なのでしょうか?現在は新型コロナウィルスの影響により中国への入国は困難であり、外国人が店舗を訪れることはできません。そこでファーウェイより開業日のフラッグシップストアの様子のビデオを入手しました。広く美しい店内の様子や、クラッシックな歴史的ビルの外観を見ることができます。

フラッグシップストア店内の写真は以下のファーウェイ公式発表でも見ることができます。

関連サイト:

World's Largest Huawei Flagship Store Opens on East Nanjing Road, Shanghai

今回はそれ以外の写真も入手したのでいくつか見てみましょう。

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1階は「All Product Zone」。スマートフォン、ノートPC、スマートウォッチ、ウェアラブルデバイスなどの最新製品を中心とした展示。各製品はカラバリも豊富にそろえています。製品についてわからないことあがればすぐそばにスタッフがいるので気軽に確認できるとのこと。なお店内のスタッフの数は約220名もいるそうです。

2階は「AI Life Zone」。ファーウェイ製品を中心とした生活への応用事例を展示。スマートホームやスマートモビリティーなど、スマートフォンやウェアラブルデバイスを活用した体験コーナーが広がります。

3階はギャラリーにもなるイベントスペースとカスタマーセンターが入ります。1階でスマートフォンを買い、ここで開封してじっくり試してみることもできそうです。

なぜファーウェイは世界最大規模のストアをオープンしたのか

ファーウェイがここまで巨大な店舗を上海にオープンしたのには理由があります。調査会社大手のカウンターポイントによると、2020年5月の世界のスマートフォン出荷台数シェアでファーウェイがサムスンを抜いて1位となりました。両者の差はわずか0.1ポイントと僅差ですが、王者サムスンを追い抜くほどファーウェイのスマートフォンの販売は好調です。

しかし、アメリカからの制裁を受けたことでファーウェイのスマートフォンは2019年秋モデル以降、グーグルサービス「GMS(Google Mobile Services)」を搭載できなくなりました。先進国では販売苦戦の話も聞かれます。それをカバーするためにも母国である中国国内の販売を強化しなくてはなりません。

ファーウェイは2019年9月に中国・深センに初となるフラッグシップストアを開業し、その後、立て続けに大型店舗を2店オープンさせています。

カウンターポイントの調査を再び見ると、2020年第1四半期のファーウェイの中国国内シェアは41%で、1年前の2019年第1四半期の34%から7%もアップ、2位Vivo(ビボ)の17%と大きな差をつけています。中国国内でのファーウェイの強さは圧倒的なのです。

カメラやCPU、モデム性能などファーウェイのスマートフォンは業界でもトップクラスの性能を有します。ファーウェイ販売好調の理由は製品の良さはもちろんのこと、最高の製品を消費者に実体験してもらう場を提供していることも大きな要因になっているでしょう。

ファーウェイは今後もフラッグシップ級の店舗展開を広げていく予定です。日本にもいつか「ファーウェイフラッグシップストア・東京」のような体験店舗を開業してほしいものです。