Azioの「Retro Classic」はスチームパンクやヴィンテージ感のあるアイテムが好きな人にピッタリのタイプライター風のメカニカルキーボード。John Biggs記者によるレビューです。
この299ドルのキーボードに慣れるには、少し時間がかかります。キーキャップが丸型なので最初はちょっと変な感じで、レイアウトが広いためコンパクト設計のキーボードよりも手を動かします。しっかりした打鍵感のあるキーですが、厳密に言えば“性能重視の”キーボードではないため、慣れるまではスピードがちょっと落ちることに気づくでしょう。とにかくデザイン性に重きを置いた製品で、同じシリーズのBluetoothマウスを揃えれば周辺機器のコーディネートは完璧。こだわりのデスク周りを作る計画のある人にはもってこいのキーボードです。
Azio Retro Classic Keyboard
小売価格:299ドル これは何?
スチームパンクが好きな人のためのレトロなBluetoothキーボード
好きなところ: デザインがすばらしく上質な素材を使っている
好きじゃないところ: 性能重視のキーボードとまではいかない、職人技が光るというほどでもない。
見てのとおり、このキーボードとパームレストはかなりユニーク。タイプライターに見えるようデザインされており、バックライト付きのキーは洗練されたアルミ製で、キーストロークが深くタイプライターのような打感の美しいキーキャップを備えています。キーボードのトッププレートは子牛もしくは子羊の革であるナッパレザーで覆われているので、ビーガン向けのキーボードではないのは確か。フレームもアルミ製です。
Retro Classicはフルサイズのキーボードなので、右側にはテンキーと独立した方向キーが備わっています。コンパクトキーボードのファンからすると、このモデルは大きすぎると言っていいほどですが、ゲーミングや計算用に数字キーを使うのに慣れているなら良いチョイスになるでしょう。6キーロールオーバー対応なので、ライトなゲーミングなら可能。
キースイッチには、あまり有名でない電子機器メーカーKailhのカスタマイズされた Blueスイッチを使用しています。接続はBluetoothか有線USBになり、付属のMac用キーキャップを使えば好みのOS向けや配列に変えられます。Bluetooth無線あるいはUSB-Cポート、Windows PCもしくはMacの切り替えはどちらも背面スイッチから行います。
個人的にはもっとスタンダードなIBMっぽいキーボードの方が好きなんですが、少しの間このキーボードで仕事をするのは楽しかったですね。これはDropなどのサイトで目にするような一点ものキーボードのよく出来た改良版。中身より見た目の製品ですから、パームレスト付きで299ドルなら申し分ないかと。日常使いデバイスにはしませんが、スチームパンカーを気取る時には絶対に使うアイテムです。
Retro Classicはエメラルドとアンバーの限定色を含む、多色展開です。ブラックがもっとも地味で、トッププレートに木材を使ったモデルもあります。このキーボードを使うか否かはテクニカルなニーズよりも好みの問題で、周辺機器としては十二分ですが、決してハッカー向けではありません。とは言え、オリベッティに向かうヘミングウェイのようにタイピング音を出したいなら、ふさわしいガジェットとなるでしょう。