多機能化小型化の弊害もあるけど、素晴らしいなこれ。
DJIから新たなスマートフォン用電動ジンバル「DJI OM 5」がリリースされました。DJI Osmo Mobile(2016年)から数えて第5世代目となる新型モデルです。その注目すべき、同機を代表する特徴はなんでしょう。って、写真を見たら一目瞭然ですね。
そうなんです。DJI OM 5はごらんのように伸縮式のロッドを内蔵しているんですよ。
よりコンパクトにまとまるように
まずは標準状態から見てみましょう。3つの電動ジンバルがバランスをとりながらスマートフォンの位置を水平にビッッッタリと合わせてくれる、スタンダードなスマホ用ジンバルといった風合いですね。手前側にはジョイスティック、シャッター/録画ボタン、カメラ切り替えボタンが備わり、DJI OM 5を握った手の親指でスムースに動かせるようなレイアウトで並べられています。
背面には人差し指で操作するトリガーボタン、側面には電源/モードボタンをズームレバーを装備。トリガーボタンの下側に凹みがありますが、これは中指をひっかける意匠であるとともに、DJI OM 5をコンパクトに収納するための工夫でもあるんです。
電動ジンバル部分を回して位置調整して、アームに備わったヒンジを使って折りたたむ。構造としては既存のスマホジンバルと変わらないのですが、アームやグリップのサイズやヒンジの位置をつめることによって、より小さなサイズ(DJI OM4の2/3くらい。デコボコはあれどペットボトルより小さい)で収納できるようになりました。そしてグリップの凹み部分に、電動ジンバルの1つをひっかけるようにして変形させるのです。
この構造のおかげで、ちょっと余裕のあるポケットならサッと入れることができるんですね。出し入れ時も引っかからない。スマホ用ジンバルは便利だけど、いちいちバッグの中から取り出すのが面倒だったという方にとって福音となるモデルでしょう。
伸びるようになりました
さらに、ジンバル部分を上に引っ張ると、伸びます。自撮り棒のようにロッドがグッと伸びます。その長さ、215mmです。
伸縮式ロッドにはヒンジもついているので、角度調整だってできちゃう。
しかしこの構造にはウラがある。通常状態では可動範囲が狭くて下方向へ向けにくくなってしまったんですDJI OM5。
とはいえ、伸縮式ロッドの効果は絶大です。脚立を使わなくても高い位置から撮影できる。大きくかがまなくてもローアングル撮影がしやすい。
インカメラが超広角カメラではないスマホでも、背景を多く取り込みながらの撮影がしやすいというメリットもあります。伸縮式ロッドによる撮影境域の拡大は確かなもので、新型すごいサイコーって思えてくる。しかし可動範囲が狭いため、従来のスマホ用ジンバルと同じように使うとややストレスを感じるシーンもあってね。
そのためDJI OM 4を持っていて、自撮りやハイ/ローアングル撮影もあまりしなさそうという方はまだ買い換えなくてよいかも。
でもOsmo Mobile 3までのユーザーならば買い替え必須。
スマホをマグネットマウントできるアクセサリも出ます
というのも、DJI OM 4・DJI OM 5の両方で使える最も撮影領域を拡大するであろうオプションパーツが出るんですよ。
DJI OM 4・DJI OM 5は、電動ジンバル部とスマホクランプ部はマグネットマウントになっています。またスマホカバーに接着できるDJI製の磁気リングホルダーをクランプ代わりとして使うことができます。
新たにリリースされる「Fill Light Phone Clamp」(左上)が、DJI OM 4・DJI OM 5の能力アップに間違い無しのクランプです。標準付属のスマホクランプと比べると大きいし、スイッチやUSB Type-C端子もある。
実はコレ、LEDライトなんですよ。しかもスマホの上下から光を放ってくれる、自撮り時にも影が出にくいタイプです。ライトの色や明るさも調整可能で、暗くなってきた庭で遊ぶペットや子供を撮るときにも効果的。もともとスマホの電子手ブレ補正より夜間の補正力が高かったスマホ用ジンバルですが、Fill Light Phone Clampにより撮影できる領域がさらに増えました。
これは素晴らしすぎるでしょ!
DJI OM 4がでたときは「マグネットマウント構造はいいけど、iPhoneのMag Safeが使えない(クランプなしだと固定できない)のが残念だなー」と思っていたのですが、Fill Light Phone Clampのような機能的価値がトッピングできるなら、DJI OM 4・DJI OM 5の情緒的価値はグッとマシマシ。これは覇権を取れるスマホ用ジンバルになるんじゃないかな。