現在同社のサイトにアクセスすると、ノートPCとしては、「MateBook X Pro」、「MateBook X」、「MateBook E」、「MateBook D 2018」の4つに加え、今回ご紹介する「MateBook 13」が並んでいる。
このなかでパネルサイズが違うもののスペック的に上位モデルに相当するのは「MateBook X Pro」となるだろうか。Proのない「MateBook X」は、13型でよく似ており、重さ1.05kgで軽量だがプロセッサが第7世代でパネルもsRGB 100%ではなく微妙にスペックダウンする。
そして「MateBook X Pro」と「MateBook X」の中間に位置付けするのが「MateBook 13」となる。おもな仕様は以下のとおり。
「MateBook 13(WRT29CH78CNCNNUA)」の仕様 | |
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プロセッサ | Core i7-8565U(4コア8スレッド/1.8GHz~4.6GHz/キャッシュ 8MB/TDP 15W) |
メモリ | 8GB/LPDDR3 2133 MHz |
ストレージ | PCIe SSD 512GB |
OS | Windows 10 Home(64bit) |
ディスプレイ | 13型IPS式2,160x1,440ドット、光沢、タッチ非対応、sRGB100% |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 620/Type-C(HDMI/ミニD-Sub15ピン/USB Type-A/USB Type-C変換ドック付属) |
ネットワーク | IEEE 802.11ac対応、Bluetooth 5.0 |
インターフェイス | USB 3.0 Type-C×2、100万画素Webカメラ、音声入出力、指紋センサー、NFC |
サイズ/重量 | 約286×211×14.9mm(幅×奥行き×高さ)/約1.28kg |
税別価格 | 129,880円前後 |
プロセッサはWhiskey LakeのCore i7-8565U。4コア8スレッドでクロックは1.8GHzから最大4.6GHz。キャッシュは8MBでTDPは15W。現在、Whiskey Lakeとしては最上位のSKUだ。
メモリはLPDDR3 2,133MHzで8GB。PCMark 10のSystem Informationでは4GB×2と表示されたが、念のためにと、編集部経由でファーウェイに確認したところ「デュアルチャネル対応」とのこと。昨今8GBモデルは8GB×1/シングルチャネルのケースが多く、デュアルチャネル対応だと性能的にも期待できる。ストレージはPCIe SSD 512GB。OSは64bit版Windows 10 Homeを搭載する。
ディスプレイは画面占有率88%の狭額縁で光沢ありの13型IPS式2,160×1,440ドット(アスペクト比3:2)。タッチには非対応だ。加えてsRGB 100%なので、色を気にする処理などにも心強い。
グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel UHD Graphics 620。外部出力用として、右側面のType-CがDisplayport Alternate Mode/DisplayPortに対応しているのに加え、標準で「MateDock 2」が付属し、HDMI/ミニD-Sub15ピン/USB Type-A/USB Type-Cへの接続が可能となる。
ネットワークはIEEE 802.11ac対応、Bluetooth 5.0。有線LANがない。できれば先の「MateDock 2」に含まれてほしかったところか。その他のインターフェイスは、USB 3.0 Type-C×2、100万画素Webカメラ、音声入出力、指紋センサー、NFC。
NFCは、「HUAWEI Share OneHop」と呼ばれる、同社製のスマートフォン(EMUI 9.0以降かつNFC搭載/Mate 10 Pro、Mate 20 Pro、P20シリーズ)からワンタッチで写真や動画を転送できる機能に使われる。同社によれば、500枚の写真を1分、1GBの動画を35秒で転送できるとのこと。同一セグメント上のWi-Fiでファイル転送が行なえる「Huawei Share」のような機能と言えばわかりやすいだろうか。「HUAWEI Share OneHop」はWi-Fi Directの機能を使うため、スマートフォンとPCが同一セグメントである必要がないため、対応するスマートフォンがあればより密にPCとのやり取りができる。
サイズ約286×211×14.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量約1.28kg。カラーバリエーションはスペースグレーのみ。ただし今後ビジネスモデルとしてシルバーも投入予定とのこと。税別価格は129,880円前後。
下位モデル(WRT19AH58BNCNNUA)は、パネルなどおもな構成は同じで、プロセッサCore i5-8265U(4コア8スレッド/1.6GHz~3.9GHz/キャッシュ6MB/TDP 15W)、メモリ8GB、PCIe SSD 256GBで99,880円前後だ。Core i5とは言え、4C/8TでPCIe SSD、かなりの性能が期待できる。加えてそれぞれOffice Home & Business 2019モデルも用意されている。
画面占有率88%の狭額縁。写真からはわかりにくいが、パネル中央上にWebカメラ斜め後ろから。カラーはスペースグレー。中央にロゴがある左側面にはType-C(おもに充電用)、音声入出力右側面はType-C。パネルの傾きはこの位置が最大キーボードはテンキーなしのアイソレーションイプで2段階のバックライト付き。今どき珍しい? 綺麗なレイアウト。タッチパッドは一枚プレート式。指紋センサーは電源ボタン兼キーピッチは実測で19mm。歪な並び/キーピッチが全くない裏は4隅にゴム足。手前左右にスピーカー用のスリット。後部には熱処理用スリットもうほとんど限界と思われるほど薄い付属品。USB式ACアダプタ(約60×60×27mm/155g/5V2A,9V2A,12V2A,15V3A,20V3.25A)、MateDock 2(約57×70×15mm/67g)、Type-Cケーブル(44g)重量は実測で1,313g筐体はスペースグレーなメタリック調、エッジ部分がダイヤモンドカットなど、かなりこだわったデザインだ。横から見るともう限界かと思うほど薄い。ただフットプリントが約286×211mmの割に、実測で約1,313gあるため、持った時、ズッシリ重く感じる。密度が高いと言う感じだろうか。冒頭に書いたが同じ13型の「MateBook X」が重量1.05kgなので、もう一歩頑張ってほしいところ。
前面は画面占有率88%の狭額縁。写真からはわかりにくいがパネル中央上にWebカメラがある。左側面におもに充電用のType-C、音声入出力。右側面にType-Cを配置。裏は4隅にゴム足。手前左右にスピーカー用のスリット。スピーカーはDolby Atmos対応だ。後部には熱処理用スリットがある。
付属のUSB式ACアダプタはサイズ約60×60×27mm、重量155g、出力5V2A,9V2A,12V2A,15V3A,20V3.25A。MateDock 2はサイズ約57×70×15mm、重量67g。参考までにUSBケーブルは44g。全部足すと266g。本体と一緒に持ち歩くと1.5kgを越えてしまう。なおこのACアダプタは15分チャージで約2.5時間使用可能の急速充電対応だ。
13型IPS式2,160x1,440ドットのディスプレイは、縦横比3:2、そしてsRGB 100%と筆者の好み。もちろん、発色、明るさ、コントラスト、視野角全て良好。傾きは写真の位置が最大となる。
キーボードはテンキーなしのアイソレーションタイプ。2段階のバックライトを備えている。主要キーのキーピッチは19mm。写真をご覧いただきたいが、とにかく昨今珍しい綺麗なレイアウトだ。歪なものが1つもなく極端に狭くなるキーピッチもない。ストロークも浅過ぎず深過ぎず、打鍵感も良好。年初に入手したMacBook(Retina, 12-inch, Early 2015)のキーボードに失望(ストロークが浅す過ぎる)していただけに、このキーボードにはグッときた(笑)。細かいことを言えば、キートップはもう少し硬いのが個人的には好みだ。
タッチパッドは1枚プレート型。パームレストも含め、かなり広めに確保されており使いやすい。右上の電源ボタンは指紋センサー兼、右側のシールの部分にNFCがある。HUAWEI Share OneHopは、手持ちのP20 Proで試そうとしたところ、docomo版でまだEMUI 8.0(Android 8)のまま。残念ながら試せなかった。
実機が届く前に別の場所で短時間であるが使った感想は、ペアリングさえできてしまえばあとは簡単。スマートフォンをNFCシールの部分へかざすだけでサクッと写真や動画が転送できる。とは言え、このMateBook 13とMate 10 Pro、Mate 20 Pro、P20シリーズでEMUI 9.0が作動条件となると、国内で何人が使えるのか? と思ってしまわなくもない。
NFCを使った「HUAWEI Share OneHop」(イメージ)。手持ちのHUAWEI P20 Proは対応機種だが、docomo版でEMUI 8.0(9.0が必要)なので試せなかったノイズや振動は試用中とくに感じなかった。発熱はベンチマークテストなど負荷をかけると、パームレスト、キーボード上部など全面的に熱(暖かくなる程度)を持つ。ファン自体は2基内蔵している。
サウンドは、下にスピーカーがあるため、机など反射する素材にもよるが、このクラスとしては物凄くパワーがあり、最大だとかなり煩い。筐体全体を響かせる音作りで低音もそこそこ出る。これだけ鳴りっぷりが良ければ、音楽や映像は十分楽しめる。
総じて完成度は非常に高く、筐体、パネル、キーボード、サウンドなど、何一つ気になる部分はない。あえてあげれば、もう少し軽ければ……と言うことだろうか。