いよいよ9月12日(日本時間9月13日午前2時)、アップルがiPhoneの新製品を発表する。“どのような新製品か”とともに、最大のライバルとして毎年市場で激突してきたサムスン電子の最新製品との比較も行われることになるだろう。
しかし、中長期的な視点で見ると、アップルの敵はサムスン電子ではなく、中国のスマホメーカーであるファーウェイかもしれない。なぜ筆者がそう予想するのか。以下に理由を述べたい。
iPhoneを抜いて販売台数「世界2位」に
調査会社IDCが発表した4〜6月のスマートフォン販売台数によると、グローバル市場でファーウェイは5420万台を販売。iPhoneの4130万台を抜いて世界2位(1位はサムスン電子の7150万台)に躍り出た。ファーウェイは主力モデルのP20シリーズをリリースした直後だったという事情はあるが、前年同期比で41%も販売台数を伸ばした。
サムスン電子、ファーウェイ、そしてその下に来るOPPOやシャオミなどは、出荷台数の大半を低価格なモデルが占めるなど、台数だけでは推し量れない面もある。しかし、それでも注目に値するのは、ファーウェイが他メーカーにはない特徴を持っているからだ。
米中貿易摩擦の中、トランプ大統領の攻撃対象となるリスクはあるものの、彼らにはアメリカ市場に依存しなくとも戦っていける事業基盤を持つ。ファーウェイは一般消費者にはスマートフォンなどの電子機器端末のメーカーと思われているが、実際には通信機器の納入業者をスタート地点としており、現在でも携帯電話基地局など携帯電話事業者向けの事業が主流だ。
事業ごとの収益を発表していないため、インフラ事業と端末事業がどの程度の比率であるか確たる数字はないが、彼らの年次事業報告書を見ると、今後の成長余地を含めてアップルに対抗しうる存在になる成長余力を見て取れる。