3万円切りで驚きの質感を実現したスマホ、Moto G6

3万円切りで驚きの質感を実現したスマホ、Moto G6

Moto G6は6月8日より発売されたのSIMロックフリースマートフォンである。3万円前後の価格帯はスイートスポットであり、ここにいかに良いバランスの製品を持って来れるか、メーカーの手腕が問われる分野である。

もともとこの価格帯の先駆者は2014年にASUSが投入した「ZenFone 5」をはじめとするZenFoneシリーズであったのだが、2016年にファーウェイが投入した「P9 lite」の比較的高性能なSoCと高いカメラ性能が評価され、2017年は後継の「P10 lite」、そして2018年は「P20 lite」がベストセラーとなった。

moto gシリーズは、この厳しい競争が行なわれている価格帯に投入される製品である。そのため、なにか他社より優れている特長がなければ勝ち残ることは難しい。そして、モトローラが選んだ手段は高いデザイン性と質感のようだ。

3万円切りで驚きの質感を実現したスマホ、Moto G6

背面は、旧機種のMoto G5までは金属製であったのだが、g6ではガラス製となった。一見黒いように見えるのだが、光の当たり方によっては濃い紺色となり、独特の曲線のようなテクスチャも浮かび上がる。本体中央にモトローラのロゴだけをプリントし、それ以外の文字やマークは一切ない、非常にエレガントなデザインと質感を実現している。

また、背面も手に握ったときにフィットするよう、左右両辺がしぼむようカーブしている。仕様上の重量は162.5gと、エントリーモデルとしては重めの部類に入るし、厚さは最薄部で8.3mmで厚い部類に入るが、実際に手にしたときはその印象を感じさせない作りとなっている。本体の上辺と下辺も緩やかなカーブとなっており、横持ちもしっくりくる。

そして特徴的なのが本体中央上部のカメラユニット。Motoシリーズは従来から大きな円形のカメラユニットを採用しているのだが、本機はMoto X4シリーズのデザインを踏襲するものとなっており、腕時計のベゼルや文字盤を意識したようなものとなっている。周囲にギザギザのおうとつパターンを、中心部に同心円状のヘアライン加工を施しており、光の当たり方によって見え具合が刻々と変化する。背面カバーの独特なテクスチャと合わせて、いつまでもじっくりと眺めていたい、所有する喜びをもたらすデザインとなっている。

その一方で、ガラスであるがゆえに滑りやすくなってしまっている点は否定できない。素のままのほうが美しく見えるので、できればそのまま手にしたいところだが、滑って落としては元も子もない。カバーをつけるかつけないかは、本当に悩ましいところだが、本製品はカバーが別売りで、せっかくの安さがスポイルされてしまうので、神経質になるよりもそのままにして使いたいところだ。

近年のミドルレンジクラスのスマートフォンは、ある程度汎用部品が採用されている以上、筐体デザインはどれも似たり寄ったりな印象だが、Moto G6に関しては独創性があり、他社と最大限の差別化を実現している。この点、筆者は高く評価したい。

製品パッケージ。標準の壁紙と同じく緑をテーマとしているボタンは右側に集中している。SIMトレーはめずらしく上部に備えている本体背面はガラス製で、独特のテクスチャがあり、高級感抜群だデュアルカメラ部分。モトローラの円形デザインを踏襲しているが、腕時計のようなデザインだ