10月14日から10月19日まで、中国Huaweiの新スマートフォン「HUAWEI Mate 20」シリーズの発表会を取材するために、イギリス・ロンドンへと出張していました。私のロンドン訪問は「IFA 2015」のトランジット(乗り換え)以来約3年ぶりで、前回はわずか5時間の滞在だったため、今回が実質初めての滞在ということになります。
5泊6日の出張を通して見たり聞いたり体験したりした、イギリス(ロンドン)のモバイル通信事情を、簡単ながらまとめてみました。
この記事は、メールマガジン「ITmedia デジタルライフスタイル通信」の10月19日配信分に掲載されたコラムをもとに再執筆したものです。
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旅行先の通信手段の1つとして重宝されるプリペイドSIMカード。最近はテロや組織犯罪防止の観点から、世界的に購入規制が強化される傾向にあります。この点はヨーロッパも例外ではなく、ドイツやスペインでは非居住者へのプリペイドSIMカード販売における本人確認や滞在(宿泊)地の確認が厳格化されました。
しかし 現時点においてイギリスでは本人確認なしで簡単にプリペイドSIMカード(Pay as You Go)を購入できます。
日本の航空会社も就航しているロンドン・ヒースロー空港では、荷物の受け渡し所にある自動販売機や、到着ロビーにある売店でプリペイドSIMカードを買えます。代金はカードまたは現金で支払います。
空港で売っているプリペイドSIMカードは原則として料金プランをあらかじめ設定してあるものなので、買ってから接続設定をすれば、すぐにネットにつながります。
ただし、“空港プライス”なのか、街中で購入する場合と比べて若干割高となっています。ローミングやレンタルWi-Fiルーターなど、「つなぎ」の通信手段がある場合は街中まで移動してから購入するのも良いでしょう。
ロンドン・ヒースロー空港では、自動販売機や売店でプリペイドSIMカードを取り扱っている空港で買わなかった(買えなかった)場合は、街中にあるキャリアショップでプリペイドSIMカードを購入できます。
店員さんに「プリペイドSIMカードがほしい」という旨を伝えると、カウンターに通されます。すると料金プランとチャージ(top up)をどうするか聞かれます。
料金プランは「高速データ通信容量」「無料通話時間」「無料SMS送信数」がパッケージになっています。プランの有効日数は、基本的に高いものほど長い傾向にあります。自分の滞在日数や、使うであろう通信容量などを勘案して選ぶようにしましょう。
プリペイドプランでは、プラン選択時にプリペイド残高から料金が引き落とされます。当然ながら事前にチャージをしておかないといけないわけですが、キャリアショップでは購入と同時にチャージ(をした上でプラン選択)することになるので安心です。
チャージする額は選ぶプランの料金と同じにすれば無駄がない……のですが、チャージは5ポンドまたは10ポンドの下限額が設けられているので、それ以上の額をチャージしないといけません。使うプランによっては残高が余ってしまいますが、その分はプランの追加購入時はもちろん、従量課金分(※)に充当することもできます。
※プラン未申し込み時の通信・通話・送信料。制限超過後にプランを追加購入しない場合もこれに相当
ロンドンの街中にあったキャリアショップ(左がVodafone、右がEEのショップ)プランを選んでチャージ額を伝えたら、代金をカードか現金で支払います。Vodafoneショップは「cashless store(現金を取り扱わない店舗)」とのことで、掲示などでクレジットカードやデビットカードを使うことを勧めていました。
代金を支払うと、店員さんがSIMカードを用意してくれます。端末を手渡せば設定もしてくれます。設定をお願いする場合はシステム言語(表示)を英語にしてきましょう。
なお、ここまで読めば分かると思いますが、キャリアショップで購入する場合は店員さんとある程度会話をしなくてはいけません。
Vodafoneショップはキャッシュレスを目指しているようで、カードでの支払いを推奨していた(写真を撮影した店舗以外でも同様の掲示があった)空港で買わなかったけれど、キャリアショップで会話しながら買うのも……という人もいるでしょうが、プリペイドSIMカードはスーパーや量販店でも購入できます。
空港と同様に、プランがプリセットされたものも売っていますが、プリペイド残高が「ゼロ」なものもあります。プリペイド残高のないSIMカードの価格は、各キャリアともに1ポンド(約146円)程度です。
量販店で購入したVodafoneの残高「ゼロ」のプリペイドSIMカード。この店ではしばらくぶりの販売だったせいか、少しボロボロだったプリペイド残高のないプリペイドSIMカードを購入した場合、使い始める前にプリペイド残高をチャージする必要があります。
現金でチャージしたい場合は、スーパーなどでバウチャー(プリペイド)コードを購入するかキャリアショップに行きましょう。コードを買った場合は、それをWebサイトか自動応答電話で入力することでチャージが完了します。
クレジットカードやデビットカードでチャージしたい場合は、Webサイトや自動応答電話から直接手続きできます。ただし、キャリアによってはイギリス国外のカードを使ったチャージを受け付けない場合があります。Webや電話でカードチャージできないときは、キャリアショップに行ってみましょう。
残高のチャージ後、プランを選びます。SIMカードを端末に入れた後に配信されるSMSの指示に従えば、それほど難なく選べると思います。
プリペイドチャージに成功すると、画像のようなSMSが配信される。これは先ほどのVodafoneの残高ゼロのSIMカードに5ポンドをチャージしたときのものイギリスの通信事情はどう?1|2次のページへCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.