折りたたみスマホ&タブ「Galaxy Fold」、化けるかもと思った発表会レポート

折りたたみスマホ&タブ「Galaxy Fold」、化けるかもと思った発表会レポート

Samsungは2月20日(米国時間)、Androidスマートフォンのフラッグシップモデル「Galaxy S10」シリーズの発表会を米サンフランシスコで開催。発表会の冒頭にいきなり登場したのが、折りたたみ型端末「Galaxy Fold」です。

折りたためばスマートフォン、開けばタブレットという新しいデバイスは、各社からの登場が予測されており、2019年のトレンドにもなりそうです。今回、会場に実機はなく、発表会でのデモでしか確認できませんでしたが、完成度は高そうです。

Galaxy Foldは、一見するとちょっと厚めのスマートフォン。折りたたみという特性上、普通より分厚くはなっていますが、見た目はスマートフォンと呼んで差し支えないレベルです。本体を開くと内側にもディスプレイがあり、タブレットとして利用できます。同社は「まったく新しいカテゴリの製品」としています。

スマートフォンとしては、4.6インチのディスプレイを搭載し、前面にディスプレイ、背面にカメラという一般的なスタイルになります。ディスプレイはHD+解像度のSuper AMOLEDで、アスペクト比は21:9とかなり縦型。実機を見る限りは、Galaxy S10シリーズのようにギリギリまでディスプレイを広げたInfinity Displayではなく、本体に対して画面が小さく感じます。

本体を開くと、内側にタブレット用のディスプレイが折りたたまれています。ディスプレイサイズは7.3インチということで、タブレットとしてはコンパクトな部類となります。ディスプレイは世界初とする「Infinity Flex Display」で、解像度はQXGA+という新しいDynamic AMOLEDを採用しています。アスペクト比は4.2:3です。

タブレットモードにした場合、もともとのスマートフォン用ディスプレイは消灯して背面の一部になります。

スマートフォン時の背面カラーは、Space Silver、Cosmos Black、Martian Green、Astro Blueとなっており、宇宙をイメージしたと思われるカラーとなっています。

タブレットモードでは、一度に3つのアプリを同時に起動できるマルチアクティブウインドウ機能を搭載。YouTubeを見ながらメッセージを送り、ブラウザでWebサイトを見る……といった動作が同時に行えます。

折りたたみスマホ&タブ「Galaxy Fold」、化けるかもと思った発表会レポート

また、スマートフォンモードとタブレットモード、どちらか一方のモードで使っていたアプリは、折りたたみでモードを切り替えても自動的にそちら側で表示されます。スマートフォンモードで動画を撮影し、再生したらタブレットモードに切り替えて大画面で見る、といった動作がシームレスに行えるそうです。このあたりは折りたたみ型の意味もあって快適そうです。

カメラはとうとう6つ(!)も搭載するようになりました。スマートフォンモードで背面に位置するアウトカメラはトリプルカメラで、機能としてはGalaxy S10で搭載されたものと同等のようです。メインは12MPのセンサーと広角レンズで、物理絞りによってF1.5とF2.4の切り替えが可能。デュアルピクセルAFも備えています。

望遠側は12MPのセンサーに位相差AFセンサーを搭載。レンズのF値はF2.4です。さらに16MPのセンサーと超広角レンズを持ったカメラも並んでいます。それぞれの画角は公表されていませんが、Galaxy S10と同じであれば77度、45度、123度となります。

タブレットモードのとき、ディスプレイ側にあるインカメラはデュアルカメラです。10MPセンサーにF2.2のレンズを搭載したカメラと、8MPセンサーとF1.9のレンズを搭載したRGB深度カメラとなっており、これはGalaxy S10+と同じスペック。さらにスマートフォンモード時のインカメラは「カバーカメラ」と表現されており、10MPセンサーとF2.2のレンズを採用しています。

つまり、スマートフォンモードはアウトカメラを3つ、インカメラを1つ、タブレットモードはアウトカメラを3つ、インカメラを2つ、利用することになるようです。

パフォーマンス面もハイエンドスペックで、SoCは7nmの64bitオクタコアプロセッサを搭載。メモリは12GB、ストレージは512GB。バッテリーは2つ搭載していて、合計で4,380mAhとなっています。有線によるQC2.0またはAFCに加え、WPC/PMA互換のワイヤレス充電もサポートしています。OSはAndroid 9(Pie)です。

価格は1,980ドルからで、発売は4月26日からとなっています。「Luxury Device」と表現しているとおり、高級なハイエンドスマートフォンかつタブレットとして開発されています。

Samsung IT & Mobile Communications部門のCEOであるDJ Koh氏は、スマートフォンのイノベーションはなくなり、市場も飽和している、という見解に対して、「それが間違いだと証明する」と胸を張り、Galaxy Foldという新ジャンルでの先進性をアピールしています。

日本円に換算すると22万円近いという、非常に高価な端末ではあります。初心者や「スマートフォンとタブレットが欲しい」というニーズに応えるような端末ではないでしょう。色々なことを理解した人が購入する「趣味の端末」といえそうです。その意味では、下手にスペックを落として低価格化するのではなく、最新ハイエンドモデルと同等のスペックを盛り込んだのは評価したいところです。

この一世代で終わるのではなく、継続してブラッシュアップしていけば、面白い存在に化けるかもしれない……。そう思わせる端末でした。