――今回発表された「Mate 9」と8月に発売された「P9」は、どちらもフラッグシップモデルだが、どのように差別化するのか。
呉氏Mateシリーズは、主にビジネスユーザーをターゲットとしたシリーズだ。「Mate 9」のポイントは、快速充電、省エネ、カメラの3つ。
私も使ってみたが、夜に充電しなくていい初めてのスマートフォンだった。1日ヘビーに使っても、夜寝るときに40%近く電池残量が残っている。急速充電のおかげで、朝の30分程度の充電で十分足りてしまう。
カメラは「Mate 9」と「P9」のどちらもライカのレンズを搭載している。Mate 9では共同開発しているソフトウェアも2.0になり、より芸術性が高く、“ライカ品質”の一眼レフに近いカメラになった。
他にも、独自開発のEMUI 5.0を初めて搭載して、使えば使うほどサクサク動くことも強調したい。
――Mateシリーズ、Pシリーズ、honorシリーズ、novaシリーズなど多くのブランドがあり、消費者にとっては分かりにくいようにも思えるが、どのような考えでブランドを広げているのか。
呉氏スマートフォンの主力ブランドは、「Mateシリーズ」「Pシリーズ」「novaシリーズ」の3つだ。「Mate」はビジネス向けで、「nova」は女性向けという位置づけになっている。
「honor」はオンライン販売限定のサブブランドという位置づけだ。日本では「Mateシリーズ」と「Pシリーズ」を展開していく。
呉波氏――Appleは防水やFeliCaに対応した「iPhone 7」を発売したが、ファーウェイは対抗するのか。
呉氏日本では消費者のニーズを理解しようと努めてきた。実は、2012年にNTTドコモから発売された「Ascend D2」は、防水、おサイフケータイ、ワンセグに対応していた。つまり、技術上のハードルは全く無い。
ただし、SIMフリー市場では、キャリアによるサポートが得られないという本質的な違いがある。その点を考慮しなくてはいけない。
――グローバル戦略の中で日本市場をどのように捉えているか。
呉氏日本市場はファーウェイのコンシューマー、ネットワーク、エンタープライズの3つのビジネス部門において、世界でも最重要市場の1つだ。SIMフリー端末を展開するコンシューマー部門では、「安いだけでなく、自由に選択できるようにしよう」というメッセージを発してきた。今回はフラッグシップモデルとして「Mate 9」を投入する。
――SIMロックフリー市場での高いシェアを生かして、3大キャリアへの採用を働きかけていく方向性はあるか。
呉氏ちょうど先週、KDDI傘下のUQ mobileが、「P9 lite PREMIUM」を発売した。これはキャリアモデルとして提供されるスマートフォンだ。SIMロックフリー市場での好調で、キャリア向け販売へも化学反応が起きていると感じる。
――「P9」も好調だが、日本ではどの辺りが評価されていると思うか。
呉氏一番の要因は日本の消費者の皆様に信頼されていること、利用する過程で安心感を得られてることにあると思う。我々はNPS(Net Promoter Score)という、使用者が周囲に商品を勧める割合を示す指数を指標としているが、今のところ日本市場のNPSは満足できる範囲にある。
――日本の部品メーカーとの連携についてどう考えるか。
呉氏公式な割合は発表できないが、ファーウェイのスマートフォンには多くの日本メーカーの部品を採用している。ファーウェイ専門のビジネスユニットを用意している部品メーカーもあると聞いている。