中国のスマホメーカーHuawei(ファーウェイ)のスマートフォン『nova 3i』を宣伝するCM内の自撮り写真が、じつは一眼レフカメラで撮影したものだったとバレて炎上しています。
自撮り写真のように見せかけるCM
問題となっているのはエジプトのHuawei Mobile Egyptが展開している『nova 3i』のプロモーション動画です。CM内では2人の男女が、スマホを使って自撮りを楽しむシーンを紹介していました。
しかし、このCMに出演した女性モデルがInstagramにCM撮影時の写真を投稿。するとそこにはスマホで自撮りをするように手を伸ばした男性モデルと、それを一眼レフカメラで撮影するカメラマンが写っていたのです。
このことを指摘するメッセージが海外の大型掲示板『reddit』に投稿され、CMは大炎上。
公開当初は現地のエジプト人からの高評価が多かったものの、今や押し寄せた世界中の人からの低評価がそれを逆転する事態となりました。
過去にも『Huawei P9』広告で同様の事例
ファーウェイによるこうした消費者を騙す行為は今回が初めてではありません。
過去には2016年7月にHuawei Mobileが「『Huawei P9』のライカのデュアルレンズでは明かりが少なくてもこのような写真が撮れます」とのコメントともにGoogle+に投稿した写真が、じつはデジタル一眼レフカメラ『Canon EOS 5D Mark III』で撮影したものだとわかり、炎上した事例があります。
このときは写真の撮影条件を保存するEXIF(エグジフ)データから一眼レフカメラで撮影したものだとわかりました。
ファーウェイは炎上後「コミュニティを刺激するためにシェアしたものです。しかし、『Huawei P9』で撮影したものではないとの説明を明確にすべきでした。誤解を招く意図はなく、お詫びします」と謝罪し、写真を削除しました。
しかしこれを見たネットユーザーの多くはこのことを忘れたわけではなく、今回の行為が発覚したことで「またか」と指摘する声が上がっています。
ノキアやソニーでも類似の事例
今回は中国メーカーのファーウェイが行ったことですが、こうした消費者に誤解をさせる事例はべつに中国メーカーに限ったことではありません。
やや古くなりますが、2012年9月にはノキアが『Lumia 920』のプロモーション動画でスマホのカメラで撮影しているように見せながら、じつは専用のビデオカメラで撮影していたことがわかり、「fakeだ」と騒ぎになったことがあります。
直近では日本のソニーが2018年7月に公開したデジタル一眼カメラ『α(アルファ)6300』のプロモーション動画で、同様に消費者を誤解させるテクニックを使用しています。
CM内では女性が『α6300』を使って子供を撮影するシーンが出てきます。
その後、『α6300』で撮影した子供の写真が動画で表示されるのですが、じつは使用しているレンズが異なるのです。
CMでは『α6300』に同梱されるキットレンズを使用して撮影したかのように見せていますが、実際は写真の下に「※映像内の画像はFE 24-70mm F2.8 GMなど別売レンズを装着して撮影。」と説明があるように別のレンズを使用して撮影したものなのです。
写真とともに説明が表示される時間は約1秒間とかなり短く、動画を一時停止しないかぎり説明を読むのはかなり難しいです。
ちなみに『α6300』のパワーズームレンズキットは本体コミで市価8~9万円ですが、説明に出ている『FE 24-70mm F2.8 GM』レンズの市価は21~23万円とカメラ本体の倍以上します。
「誤解させる気はなかった」という広告にノー
ソニーのCMには注意書きがある分、ファーウェイやノキアによる告知もしていない事例と比べるとかなりマシです。
しかし、キットレンズを使用して撮影するシーンを見せておきながら、完成品として別のレンズを使った写真を出すのは消費者の誤解を生むものでしかありません。ファーウェイやノキアの見せ方は言うまでもないでしょう。
我々消費者はこのようなCMに何度でも「ノー」を言い続け、企業が「誤解させる気はなかった」と言い訳できない環境を作っていくべきでしょう。