HUAWEIのノートPC「Mate Book 13」で、Netflixのドルビーアトモス作品を鑑賞。さらにハイレゾ再生でも使えるかをチェックした

HUAWEIのノートPC「Mate Book 13」で、Netflixのドルビーアトモス作品を鑑賞。さらにハイレゾ再生でも使えるかをチェックした

1990年代にマッキントッシュplusを友人から譲ってもらって以来、PC=マックで育ってきたので、今でも会社から自宅までアップルOSで生きています(携帯もiPhoneだし……)。

が、ことコストパフォーマンスで見るとウィンドウズPCも魅力的なわけで数年に一度ウィンドウズを試したくなることもある。前回はウィンドウズ10が登場した頃に、VAIOのノートにトライしたことも……。ホントに軽くて、持ち運びやすく、仕事的にはよかったんだけど、操作面でどことなく違和感があって結局2年弱でMacBook Airに戻った次第。

それから3年強、OS浮気の虫が動き出した頃に、HUAWEIの「MateBook 13」を借用することができたので、これ幸いと試用させてもらいました。

MateBook 13はその名の通り13インチの液晶パネル(IPSタイプで水平2160×1440画素、コントラスト比1000:1、sRGB色域100%)を搭載。コネクターはUSB Type-Cをふたつ(正面左が充電とデータ転送、右はディスプレイポートとデータ転送)備えている。

もうひとつ特徴的なのが、ドルビーアトモスの再生機能がプリインストールされていること。詳しくは解説されていないけど、アトモス信号をデコードし、内蔵された2chスピーカーまたはヘッドホンで疑似サラウンドとして再生している模様。

まずはドルビーアトモスのトレーラー(mp4データ)をチェック。デモで見慣れている「リーフ」と「アメイズ」を再生すると、期待したよりサラウンド感が寂しい。音場が漠然と広がる印象で、これではアトモスといわれてもなぁというのが正直なところ。

そこで画面の正面、50cmほどの位置まで近づいてみると、鳥の声や風音がふわっと広がり、サラウンドらしさが再現されてきた。リーフで葉っぱが回っている様子もそれっぽくなっている。最初は1m近く離れて聴いていたわけで、どうやらPC本体とユーザーの位置関係(この場合は頭の位置)で印象がかなり変わるようだ。

ただ、さすがに低音は寂しい。「アメイズ」の地鳴りや「リーフ」で葉っぱが水に落ちたときの波紋の効果音があっさりしている。小型スピーカーだから仕方ないのかもしれないが、ここはもうひとがんばりを期待したかった。

では映画本編ではどうか? Netflixにつないで、『ブレードランナー2049』と『ROMA』も見てみた。

HUAWEIのノートPC「Mate Book 13」で、Netflixのドルビーアトモス作品を鑑賞。さらにハイレゾ再生でも使えるかをチェックした

モニターがフルHDを超える画素数を持っていることもあり、解像感の高い、クリアーな映像が再現される。若干コントラストが強調されてビデオライクな印象もあるが、この凝縮感も好まれるだろう。

音は先述のトレーラーと同じ傾向で、セリフは前に出てきて、移動感もうまく再現している。ただし低域は控えめ。

『ブレードランナー2049』でデッカードが隠遁しているホテルが襲撃されるシーンでも、ブラスターの発射音が軽めで、スピナーの爆撃もあっさりしている。『ROMA』はそれほど低域が出てくる作品ではないが、海にでかけるシーンで波の音がおとなしいと感じた。

試しに有線イヤホンをつないでみたら、低域もちゃんと出てきたし、サラウンド感もしっかり描写される。個人的にはMateBook 13で映像作品を楽しむのなら、しっかりしたイヤホンとの組み合わせをお薦めする。

で、もうひとつMateBook 13でハイレゾ音源がどれくらい快適に再生できるかも試してみた。

まずは再生用ソフトのFoober2000をインストールしてUSB DACのエクササウンド「E32」とつないでみる(E32のドライバーもインストールした)。

いつもお世話になっている麻倉さんと潮さんのレーベル、UAレコード『情家みえ/エトレーヌ』から44.1kHz/16ビットと192kHz/24ビット、384kHz/24ビットの音源を順番に再生する。E32はAVプリアンプのヤマハ「CX-A5100」にアナログ接続して、パワーアンプのリン「KLIMAX TWIN」でスピーカーの「AKURATE 242SE」を鳴らしている。

CDクォリティでも情家さんの声が綺麗に再現され、充分満足できる品質だ。続く192kHz/24ビットでは、声の艶感がより明瞭になるし、ピアノやドラムの生々しさが増して、この楽曲がワンテイクで収録されているということが納得できるようになる。

最後の384kHz/24ビットでは、収録スタジオの静けさまで出てきて、そこに細かな音の反響があることが聴き取れる。また「チーク・トゥ・チーク」では「Heaven」という歌詞が繰り返されるが、その1回目と2回目でニュアンスを変えて歌っている。384kHz/24ビットで聴くとその違い、録音時の狙いも聴き取ることができた(と思う)。

Foober2000ではDSD11.2MHzの再生も可能だが、今回はセットアップ(DSD用のプラグインの追加)が間に合わなかった。先述の『エトレーヌ』はe-onkyoなどでDSD11.2MHz音源の配信もしているし、弊社からも11.2MHz音源は多数販売中なので、これも近々試したいと思います。

ちなみに先述した通りMateBook 13はUSB Type-Cコネクターのみ搭載(最近のノートPCはこの仕様が多い)。一方のE32はType-B角形で、このタイプのケーブルはきわめて少ない。今回はMateBook 13付属のHUAWEI MATEDOCK 2や通信販売で購入したType-C→Type-A変換アダプターを使ってType-A→Type-B角形変換ケーブルでつないだが、音質的に大きな差は感じなかった。

最後に、MateBook 13を取材用にも使ってみたけれど、起動も速いし、取材機はストレージも256GバイトSSDと持ち運び用途としては充分。テキスト作成と通信用にも快適に使えました。このモデルは現在8万円強で購入できるとのことで、ハイレゾ再生用としても魅力的な存在になりそうです。(取材・文:泉哲也)