ASCII.jp GeForce RTX 3070 Tiをレビュー!フルHD~WQHDで高fpsを狙うゲーマーの新たな選択肢

ASCII.jp GeForce RTX 3070 Tiをレビュー!フルHD~WQHDで高fpsを狙うゲーマーの新たな選択肢

検証環境は?

今回の検証環境は、前回のRTX 3080 Ti FEの検証環境と同じものを使っている。前回のレビューから1週間しか間が空いていないため、前回の検証結果をそのまま継承する形で、改めて新GeForceの性能比較を試みる。

さらに、今回比較対象としてRTX 3070 FEおよびRTX 2070 SUPER FEも追加した。ドライバー環境はRTX 3070 Ti FEおよびRTX 3080 Ti FEがレビュー用βドライバー、それ以外はGeForce 466.47で計測している。また、RTX 2070 SUPERを除く全てのGPUは、Resizable BARが利用できる環境でテストを実施した。

【検証環境】
CPUAMD「Ryzen 9 5950X」(16コア/32スレッド、3.4~4.9GHz)、
CPUクーラーCorsair「iCUE H115i RGB PRO XT」(簡易水冷、280mmラジエーター)
マザーボードGIGABYTE「X570 AORUS MASTER」(AMD X570、BIOS F33i)
メモリーG.Skill「Trident Z RGB F4-3200C16D-32GTZRX」(DDR4-3200、16GB×2)×2
ビデオカードNVIDIA「GeForce RTX 3090 Founders Edition」、NVIDIA「GeForce RTX 3080 Ti Founders Edition」、NVIDIA「GeForce RTX 3080 Founders Edition」、NVIDIA「GeForce RTX 3070 Ti Founders Edition」、NVIDIA「GeForce RTX 3070 Founders Edition」、NVIDIA「GeForce RTX 2070 SUPER Founders Edition」
ストレージCorsair「CSSD-F1000GBMP600」(NVMe M.2 SSD、1TB)
電源ユニットSuper Flower「SF-1000F14HT」(80PLUS Titanium、1000W)
OSMicrosoft「Windows 10 Pro 64bit版」(May 2021 Update)

NVIDIAの主張は確認できた「3DMark」

まずは「3DMark」のスコアー比べだ。RTX 3070 Ti FEはCUDAコアやメモリー帯域が増えたが、メモリーバス幅は256bit据え置き、かつCUDAコアの少ないモデルほどパフォーマンスゲインが鈍化しやすいので、RTX 3080 FEよりもRTX 3070 FEに近いところに着地することが予想できる。

「3DMark」のスコアー

まずRTX 3070 Ti FEのスコアーを100%としたとき、RTX 2070 SUPER FEは73%〜67%程度なので、RTX 2070 SUPERの1.5倍の性能を持つというNVIDIAの主張はほぼ達成できている(1÷0.67=1.49)ことが確認できた。

ASCII.jp GeForce RTX 3070 Tiをレビュー!フルHD~WQHDで高fpsを狙うゲーマーの新たな選択肢

次にRTX 3080 Ti FEの上下との対決に目を向けると、RTX 3080 FEは3070 Ti FEに対し11〜31%ほど上、RTX 3070 FEは3070 Tiの6〜8%ほど下という結果が得られた。RTX 3080 Tiは上位GPU(RTX 3090)寄りの性能だったが、RTX 3070 TiはRTX 3080寄りというよりは下位寄りの性能に仕上がっている。メモリーバスが256bitという仕様がGDDR6X採用によるメモリー帯域増やCUDAコア数増によるメリットを享受しにくくしていると考えられる。

高解像度領域で上位GPUとの差が明確になった「Rainbow Six Siege」

ここから先は実ゲームを利用した検証となる。「Rainbow Six Siege」ではAPIはVulkan、画質は“最高”をベースにレンダースケール100%を追加した。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測する。

「Rainbow Six Siege」Vulkan、1920×1080ドット時のフレームレート

「Rainbow Six Siege」Vulkan、2560×1440ドット時のフレームレート

「Rainbow Six Siege」Vulkan、3840×2160ドット時のフレームレート

RTX 3080 Tiと3090の差がほとんど付かなかったのに対し、RTX 3070 Ti FEは3070 FEに対し平均フレームレートでおよそ7〜9%上の性能を発揮している。この差は解像度が高くなるほど開く傾向にあり、GDDR6Xを採用したことによるメモリー帯域の増加が一定の効果を挙げていることがうかがえる。

ただし、上位であるRTX 3080 FEとの差は小さくはなく、フルHDでRTX 3080 FEの方がおよそ13%、4Kではおよそ22%上という結果が得られた。CUDAコア数自体の差も大きいが、メモリーバス320bit対256bitという根本的な仕様の差がこの結果を生んでいると考えられる。ただ描画の軽いゲームであるため、RTX 3070 Ti FEでも並のゲーミング向けディスプレーでは活用できないほどのフレームレートは出ている点は強調しておきたい。

4Kでもなんとかイケそうな「Apex Legends」

続いて「Apex Legends」では、画質を最高画質設定とし、起動オプションで明示的にフレームレート上限解除「+fps_max unlimited」を追加した。「CapFrameX」を利用し、射撃練習場における一連の行動をとった時のフレームレートを計測した。

「Apex Legends」1920×1080ドット時のフレームレート

「Apex Legends」2560×1440ドット時のフレームレート

「Apex Legends」3840×2160ドット時のフレームレート

現状、どう頑張っても300fpsは出せない仕様になっているため、RTX 3080 FEより上のGPUはほぼ団子状態だが、3070 Tiより下ではGPUのスペックの差が数値に出やすい。RTX 3070 Ti FEの平均フレームレートは3070 FEよりも3〜10%ほど上、RTX 3080 FEの5〜22%ほど下となり、特にメモリー帯域がボトルネックになりやすい4Kで、RTX 3070 Ti FEが息切れしやすいことが示されている。

とはいえ、4Kでもなんとか60fpsキープを達成できているので、画質をやや落とせば十分プレイに耐えるフレームレートが得られそうだ。ただ、ハイフレームレートプレイの確実性をとるなら、RTX 3070 TiはフルHD〜WQHDで運用した方がよいだろう。