自分は時給2400万円なのに、社員の半分以上が契約社員って異常だよ?
…と、米上院議員10人がGoogle(グーグル)を取り囲んでいます。勤続半年以上の契約社員を即刻、正社員に昇格するよう求める公開質問状をサンダー・ピチャイCEO宛てに送付しました。送信主はSherrod Brown、Patty Murray、Benjamin Cardin、Brian Schatz、Elizabeth Warren、Kamala Harris、Edward Markey、Richard Blumenthal、Richard Durbin、Bernie Sandersの各議員。
正規も非正規も名ばかり
Google社員は現在、このような構成になっています。
契約社員 10万2000人
正社員 12万1000人
2019年5月、The New York Times調べ
年俸はこれぐらいの開き。
契約社員 9万ドル(約958万円)
正社員 12万8000ドル(約1360万円)
2019年5月、Recode調べ
基幹業務から外れているサブ業務ならわかりますが、それがそうでもないようなんですね…。業務内容は「ほぼ同じで、違うのは呼び名ぐらいだ」と議員たちは怒ってます。
勤務地、勤務時間、業務内容、契約更新の可否もGoogleが決めている場合もあるし、臨時雇用の社員が正社員と肩を並べて長期プロジェクトを何年もやっているのもよくあることで、ずっと低い給料で働くのが当たり前になっている。
Googleは時価総額1000億ドル超、あなたは昨年4億ドル以上手にした。それなのになぜ臨時雇いと契約社員はこんな不当な扱いを受けなければならないのか理解に苦しむ。
[...]契約派遣会社が時給15ドルの最低賃金は守っているとか、やれ健康保険もあるとか、育休もあるとか言っても、正社員の待遇よりずっと低いのだから、何を言っても無駄だ。
―公開質問状より
時給2400万円の男ピチャイCEOは金曜までに回答しなければなりません。
非正規は不安と隣合わせ
待遇差もキツいけど、一番キツいのは常にクビになる不安と隣り合わせなことですよね。今年3月にもパーソナリティーチーム48名のうち80%が1カ月でクビだと突然通告されて、待遇改善を求める運動に約900人が署名しました。そのときは1人1人呼び出しもしないカンファレンスコールで集団解雇でして、クビにならない正社員は全員黙して語らずだったのだそう。なぜかというと、「これまでずっとありがとう」、「困ったことがあったら言ってね」と言葉をかけるだけで、会社のライアビリティになっちゃうから。リーガルサビーになり切ったGoogleでは、もう人間として当たり前の言葉もかけられないんでありますよ。Tシャツ1枚でビビってる場合じゃありませんわ。
Googleでは、非正規雇用・一時雇用はいくら優秀でも正規雇用には絶対昇格できないということをひたすら言い続けて区別します。それは社内カーストとして有名ですが、今回の質問状では、まかり間違って正社員になると派遣会社側に「コンバージョン手数料」がかかるというワケのわからない制度の廃止も求めています。 「いい人紹介してくれてありがとう」…じゃないのか…。