ゲーミングマザー対決その2 ~H170搭載ミドルレンジ/B150搭載ローエンド編

ゲーミングマザー対決その2 ~H170搭載ミドルレンジ/B150搭載ローエンド編

この対決の見どころ リアルゲーマーへの最適解はどれか?

■Z170搭載ハイエンドモデル代表 MSI Z170A GAMING M9 ACK

■Z170搭載アッパーミドルモデル代表 ASUSTeK Z170 PRO GAMING

■H170搭載ミドルレンジモデル代表 ASRock Fatal1ty H170 Performance

■B150搭載ローエンドモデル代表 GIGA-BYTE G1.Sniper B7(rev.1.0)

現在、ゲーミング対応をうたうマザーボードは高価なものから低価格のものまで多種多様の製品が発売されている。

ここでは、ハイエンドからローエンドまで、さらに各社の特徴が出ている製品を集め、リアルゲーマーの視点で評価を行なう。

■ASRockFatal1ty H170 Performance実売価格:14,000円前後

Specification●フォームファクター:ATX● CPUソケット:LGA1151●対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium●チップセット:Intel H170●メモリスロット:PC4-17000 DDR4SDRAM×4(最大64GB)●ディスプレイ:HDMI×1、DVI-D×1●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×1、PCI-E 3.0 x4(x16形状)×1、PCI-E 3.0 x1×3●主なインターフェース:M.2(PCI-E 3.0 x4接続またはSATA 3.0接続)×1、SATA Express×1、SATA 3.0×4、USB 3.0(Type-C)×1、USB 3.0×7、USB 2.0×6● LAN:1000BASE-T×1※PCI-E= PCI Express、SATA=Serial ATA、USBポートの数はピンヘッダ含む、USBコネクタ形状を明記していないものはType-Aまたはピンヘッダ、SATA Express×1はSerial ATA×2としても使用可能

スタンダードな構成ならコスパは最強クラス

重量級ゲーマー向けの重厚な電源最近は4コアでもCPUがほぼフル回転するゲームが増えてきた。10フェーズのVRMは高負荷時の安定性重視という観点から妥当と言える

“ゲーミングマザーにOC機能は不要”と考えているなら、ASRockの「Fatal1ty H170Performance」に心惹かれるはずだ。サウンド回路にNE5532を2基搭載することで、インピーダンス600Ωのヘッドホンもしっかり鳴らせるアンプを備える。特殊なサウンドプロセッシングアプリを通さず、王道的なやり方で音質を追求する設計だ。

そのほかマウスのポーリングレートをマザー側で変更できる“Fatal1ty Mouse Port”や、PCI Express x1スロットがユニバーサル(エッジフリー)仕様とASRockらしい要素もしっかり残っている。

ゲーミングマザー対決その2 ~H170搭載ミドルレンジ/B150搭載ローエンド編

唯一の欠点はM.2スロットの位置。とくに発熱量の大きなビデオカードとの相性がよくないが、ビデオカードはシングル、ストレージはSerial ATA接続のSSDといったスタンダードな構成で組むなら、費用対効果の非常に高い製品であると言える。 (加藤勝明)

600Ωのヘッドホンにも対応ニチコン製のオーディオ用コンデンサと、TI製オペアンプ「NE5532」。次項の「G1.Sniper B7」と同じオペアンプだが、本製品では2基搭載することで、インピーダンス600Ωのヘッドホンにも対応できるType-CはUSB 3.0仕様パーツ選択の幅を広げる仕様ASRock独自の「Fatal1ty Mouse Port」を備えるバックパネル。流行のType-Cコネクタも備えるが、接続先はPCHでUSB 3.0までの対応だx1スロットはすべてユニバーサル仕様。基板上のペリフェラル4ピンは、ビデオカード複数枚挿しやハイエンドSSDなど電力消費の大きいときに使う

格安ゲーミングマザーと言えばASRock。本製品は対応コントローラが高価なUSB 3.1はサポートせず、その分細かな使い勝手の向上を図ったモデルだ。

ゲームをしないユーザーもサウンド回路のこだわりは要チェック。

■GIGA-BYTE TECHNOLOGYG1.Sniper B7(rev.1.0)実売価格:13,000円前後

Specification●フォームファクター:ATX●CPUソケット:LGA1151●対応CPU:Core i7/i5/i3、Pentium●チップセット:Intel B150●メモリスロット:PC4-17000 DDR4 SDRAM×4(最大64GB)●ディスプレイ:HDMI×1、DVI-D×1●拡張スロット:PCI-E 3.0 x16×1、PCI-E 3.0 x4(x16形状)×1、PCI-E 3.0 x1×2、PCI×2、M.2(Socket 1)×1 ●主なインターフェース:M.2(PCI-E 3.0 x4接続またはSATA 3.0接続)×1、SATA Express ×1、SATA 3.0×4、USB 3.0×6、USB 2.0×5● LAN:1000BASE-T×1※PCI-E= PCI Express、SATA=Serial ATA、USBポートの数はピンヘッダ含む、USBコネクタ形状を明記していないものはType-Aまたはピンヘッダ、SATA Express×1はSerial ATA×2としても使用可能

自分好みのサウンドに追い込んでいける楽しさ

シンプルだが最低限の余裕は確保廉価版だけに電源回路もシンプル。B150マザーには6フェーズ設計のものが多いが、本製品では7フェーズとし、高負荷時に余裕を持たせてある

ライムグリーン色の拡張カードスロット+発光色が目に涼しいB150ベースのゲーミングマザー「G1.Sniper B7」は、普通の製品にはない“ちょっとした装備”に心をくすぐられるマザーだ。

その装備とはサウンド回路に実装されたTI製オペアンプ「NE5532」。前ページの製品も同ICを採用しているが、本製品はソケット化されており、好きなものに交換して音色の違いを楽しめる。オペアンプは秋葉原の電子部品ショップやWeb通販で入手可能。

チップセットがB150のため、OCやSLIには非対応で、サウンド部分のこだわり以外は特別優れた点はないのでスペックだけを見れば見落とされがちな製品とも言える。しかし赤LED+黒基板のカラーリングや似たような機能の製品であふれる中、本製品は低価格ながら反骨精神を感じる。ロックなマザーを求めているなら間違いなくコレだ。( 加藤勝明)

オペアンプ交換で音色の変化を試せるサウンド回路にあるディップスイッチの切り換えで出力のゲインを2.5→6倍に増幅できる。高インピーダンスのヘッドホンを使う場合は増幅するという仕様だが、具体的なゲインの数値は公開されていない通信専用のM.2スロットも装備爽やかな緑系はめずらしい通常のM.2(左)のほかに無線LANなど通信系カード専用M.2(右)も備えるのはめずらしい。後者はM.2 Type 2230カードのみ固定可能だスロットの色から発光機能までキチンとライムグリーンで統一されている。NVIDIAやRazer好きならこれで統一してみては?

この価格帯でも人気のIntel製LANコントローラを搭載しているのは評価できる。

M.2接続の無線LANモジュールの入手性はよくないが、オペアンプの交換も含め、コツコツ手を入れて使う楽しみが味わえるとも言える。

ASRock:03-3768-1321(マスタードシード)/http://www.asrock.com/GIGA-BYTE TECHNOLOGY:03-3350-5418(旭エレクトロニクス)/http://www.gigabyte.jp/


[Text by 加藤勝明]


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