トップ画像見るとわかりますが、どう見てもサングラス。強めのサングラス。…いや、なんかのっぺりしてて、むしろカメラのフィルターにすら見えます。が、これ、Facebookが開発中の次世代VRヘッドセット(になるかもしれない何か)なんです。
Siggraph 2020のレポート「Holographic Optics for Thin and Lightweight Virtual Reality(薄く軽いVRのためのホログラフィック光学)」で、Facebookは研究開発中のVRヘッドセットについて語っています。最新試作機に採用しているのは「パンケーキ光学」という、ホログラフィックフィルムを複数枚重ねて作るVRディスプレイ。スマートフォンよりもちょっと厚い程度、9ミリから11ミリのディスプレイです。
試作機はOculus Questと同レベルの画質、1200 x 1600ピクセル(16インチ x 21.3インチ)で、視界は円なら93度、長方形なら69度。レーザープロジェクションシステムと、ディスプレイバックライトを採用。重さはたったの10グラム。Oculus Questが571グラムなので、グラサンな見ためだけでなく、かなり軽量化されています。
Facebook Researchのブログによれば、VRディスプレイの多くがガラスやプラスティックを削ってつくる屈折レンズを採用しており、イメージを適切に写すために目とレンズが一定距離を保つ必要があり、結果、VRヘッドセットは箱型のデカデカしいデザインになってしまうとのこと。そこで、FBが研究しているのはホログラフィック光学を用いた薄いヘッドセット。レンズに直に光を通すのではなく、光が屈折する前にディスプレイに向けて光を跳ね返らせるのがホログラフィックレンズならば、端末のスリム化ができるはずだと。ブログでは、コンセプト動画でも解説されていますが、いまのところできる画像は緑のモノカラーのみ。現在、フルカラーの試作機も絶賛研究中とのこと。
Facebookはあくまでも「研究」であり、将来的な何かを約束する段階ではないと念押ししていますが、期待はしたいですね。箱型で重いヘッドセットである限り、VRが一般普及で大ヒットとなることはない気がするので…。ゲーム端末に限るとしても、まずはそこそこ長時間の装着が苦じゃなくて、動きやすくないと思いっきり遊べないもんね。なんせ、VRであっちの世界に行くんですから。
…このサングラスかけてVRの画面を見つめている様子を端から見ると、イッチャッテル感は強まりそうですね。
Source: Facebook Research、VentureBeat