Googleの新型タブレット「Pixel Slate」について知っておくべきことすべて

Googleの新型タブレット「Pixel Slate」について知っておくべきことすべて

タブレットはAndroidからChromeになるという噂は本当だった!

新型Chrome OSタブレット「Pixel Slate」が本日ついに登場しました。使うものしか載ってないベアボーン(骨と皮)な端末を愛するみなさまにはきっと至高の1品となりそうです。

タブレット部はiPadの化身のようですが、昨年の高価だけど大満足なPixelbookの後継とくればテンションはいやでも上がりますよ。

Pixelbookはノートにしては薄すぎて、タブレットにしては厚すぎる10.16mmでしたが、ノートとタブレットの2in1の「Pixel Slate」は厚さたったの7mm。12.3インチの画面サイズは同じだけど、解像度は2400 x 1600から3000 x 2000 ピクセル、画素密度も235ppiから293ppiに大躍進です。 バッテリーは12時間もつとのこと。カメラは片面1台ずつ。

タッチ対応で、100ドルの付属ペン「 Pixelbook Pen 」でお絵かきできます。Samsung(サムスン)の「 Chromebook Pro」もそうですけど、Chrome OS端末はタッチ感度がSurface、iPadに劣るイメージでしたが、Pixel Slateは使ってみた感じ、ラグゼロ。これはなぜかというと、「ペンの向かう方向を先読みするアルゴリズムを大幅に改善したからだ」とGoogle(グーグル)は言ってました。さすがソフトウェア会社…。まあ、1時間使っただけじゃ本当かどうかはなんとも言えないので、これはあとでじっくりチェックしてみますね。

キーボードケースの「Pixel Slate Keyboard」は200ドルで、Microsoftの130ドル、Appleの160ドルに比べてもまだ高い! でも四角いキーではなくて丸いキーなので「打ち心地はいい」とGoogleは力説していました。大昔のタイプライター愛用者、ふがふがのSA風キーキャップ愛用者はきっとご納得いただけるでしょう。どっちも真ん中が丸くくぼんでて、指が自然と真ん中に集まるようになってますからね。Googleはあれと同じことをこの200ドルのキーボードカバーでやろうとしているのであります。言われないと気づかないほどのくぼみではありますが。

カバーはご覧のようにパタパタっとスタンドになります。アングルはケースのマグネットで微調整が可能。2in1で磁石と聞くと使いづらいイメージですが、Pixel Slateは2本指で簡単に調節できました。 オールブラックのMicrosoft Surface Proや皮ボディのHP Spectre Folioほど高級感はないけど、タブレットが主役の2in1としては最上位かも。

Googleの新型タブレット「Pixel Slate」について知っておくべきことすべて

モデルは松から梅まで予算に応じていろいろです。ストレージも下は32GBから上は256GBまであって、RAMは4GBから16GBまで。プロセッサはIntel Celeronか第8世代Yシリーズi3、i5、i7の中から選べます。

Chrome OS端末はWindowsやmacOSに比べると負荷が軽いので、Celeronで十分というChromeノートも多数あります。600ドルのPixel Slate (RAM 4GB、32GB SSD)がCeleronと聞いても心配はないのだけど、ただ割高感はありますよね。 だって同スペックのSamsung Chromebook Pro v2なんて100ドル安くて、ペンもキーボードもオールインワン。全部合わせたらその差額はなんと300ドルで、もう1台タブレット買えちゃいます!

松モデルのi7 + 256GB SSD + 16GB RAMともなると1600ドルで、これまでのChrome OSラインの限界をまたひとつ押し上げた格好です。いったい誰が買うんだ!!!!となってしまいますが、先日Pixel Slate開発チームにお会いしたときには、開発者に買ってもらえたらうれしい、という期待をにじませていました。

それというのも、最新のChrome OSではChrome OS、Android、Linuxのアプリケーションにも対応していて、学生、ブロガーだけじゃなく、Linuxがネイティブで動作する開発環境を求めるプログラマーとかシステム管理者なんかがターゲットみたいなんですね。

Chrome OSはPhotoshopもフルには使えないし、Microsoft Wordすら使えませんけど、 GIMPとLibreOfficeは使える(比べ物にはなりませんが)し、AndroidとLinuxのアプリを同じひとつの端末で開発・実行できたりもします。 だから何?ってならなくて、ここでときめく人が1600ドル耳揃えて払うんでしょう。GoogleはAndroidの開発もここ1か所でできると言っていました。つまり、AndroidデベロッパーはもうこれまでみたいにmacOS、Linux、Windowsで開発してから仮想マシンとか他端末でテストするという不便な環境を強いられることもない、ということに!

Chrome OSは8月にLinuxアプリも走るようになりましたよね。その後、ついにデスクトップ環境を2つ切り替えて使えるという大きなアップデートがありました。

1つは既存のデスクトップ環境で、200ドルのキーボードケースを装着すると起動し、普通のラップトップとして使うことができます。もうひとつはAndroidのアプリ一覧みたいなデザインで、これはPixel Slateをタブレットモードにすると起動し、Android、Chrome、Linuxの全アプリをワンタップで開ける、というものです。例の100ドルのペンでちょんとやっても開きます。

デスクトップとタブレットのUIを分離するという試みはMicrosoftも行なっていますけど、タブレットUIを1から開発したMicrosoftに比べ、Googleは10年分のAndroidの使用データとアプリの蓄積があるので、そうした部分は差が見え隠れしますよね。

とはいえ、Pixel Slateは全然安くありません。キーボード付きタブレットは800ドル(約9万円)します。iPad Proはキーボード付きで10.5インチモデルが810ドル(日本では8万7600円)、12.9インチは970ドル(日本では10万4600円)、Microsoft Surface Pro 6も一番安いのでキーボードケース付きで1,030ドル(約11万6000円)。それに比べたら安いかもしれないけど、Chrome OSがiOSとWindowsほど動作が安定しているかどうかは、どれだけ改善したかによりますねー。Google Pixel Slate予約受付は本日開始。米・英・カナダで年内発売。日本での発売は未定です。