米陸軍の少佐が、18~25歳の若者が座りっぱなしの生活を送っているため身体が弱くてケガをしやすく、軍隊生活への移行がうまくできないことを指して「ニンテンドー世代」と呼んでいると伝えられています。このニュースは、米国防総省の視覚情報配信サービスDVIDS( Defense Visual Information Distribution Service)に掲載された公式プレスリリースが発信源。該当記事のタイトルは「なぜ“Z世代”はブートキャンプ(macOSのデュアルブートではなく米軍の新兵訓練施設)で怪我のリスクに晒されているのか」というものです。この記事では、まずミズーリ州のフォート・レオナード・ウッドで医療準備を担当するJon-Marc Thibodeau陸軍少佐にインタビュー。そこで現代の若者について質問されたThibodeau氏は、単刀直入に「“ニンテンドー世代”の兵士の骨格は、入隊前の活動により鍛えられていないので、簡単に壊れてしまう人もいます」と語っています。
さらに陸軍地域病院の理学療法副主任は、ここでいうニンテンドー世代によく見られる負傷につき「急性骨折や転倒から、膝前十字靱帯の断裂、筋緊張やストレス骨折まで様々な怪我が見られますが、圧倒的に多いのは使いすぎに関連する怪我です」と詳しく説明しています。
残りのプレスリリースは、陸軍への入隊を考えている人たちに、ブートキャンプに来る前に基本的なフィットネスの準備をするように勧めるものとなっています。こうした新兵訓練で怪我をしやすい若者という現象は、今に始まったことではなく、1960年代に大統領に就任する直前のジョン・F・ケネディ氏も「ソフトアメリカン(The Soft American)」を語っていたことがあります。米MotherBoard誌は、「ニンテンドー世代」が「ソフトアメリカン」の新しい解釈だとしつつも、時代遅れでもあると指摘しています。なぜなら任天堂がビデオゲームの代名詞だと親が考えていたのは、初代ファミコン(米国ではNES)やスーパーファミコン(SNES)が全盛期の1980年代~90年代のことであり、すでに30~40年も昔のためです。
いまのZ世代とされる若者は「マインクラフト」や「Call of Duty」、「Fortnite」をプレイして育った可能性がはるかに高く、彼らを「ニンテンドー世代」と呼ぶのはとても恥ずかしいことだ――MotherBoard誌はそうした趣旨を述べています。しかし「Call of Duty」や「Fortnite」をプレイしてきた世代は、銃の狙いを定めるエイム力も鍛えられているはず。Thibodeau少佐もそれを織り込んだ上で、あえてニンテンドー世代としたのかもしれません。