Dell XPS 15(2020)レビュー:いま出回っているなかでもっとも万能なラップトップ!

Dell XPS 15(2020)レビュー:いま出回っているなかでもっとも万能なラップトップ!

「もっと欠点を挙げられたら良いのに」

新しいDell XPS 15について、旧モデルと比べつつ、米Gizmodoが詳しくレビューしています。

こうやって画像だけ見るとディスプレイの鮮やかさが印象的ですが、それだけじゃなく「ほぼすべての要素が改善されている」とのこと。外観からスペックの細部まで、こだわりがが詰まったDell XPS 15(2020、以下単にXPS 15)のレビューがこちら。


Dell(デル)のXPS 15が家に届いたとき、梱包箱のサイズに違和感がありました。15インチのラップトップのはずなのに、なんだか小さいなと。この予感は間違っていませんでした。というのも、新しいXPS 15 9570は外観こそ親しみ深いものの、細かいところまで見ていくと今までのモデルとは一線を画していることがわかったんです。

XPS 15が登場して4年、そして初めての刷新。もしDell(デル)がXPSシリーズのパフォーマンスや使いやすさを改善することを目標としていたなら、成功と評価できるでしょう。

Dell XPS 15(2020)

これは何?:薄くて軽い、プラミアムな15インチラップトップ

価格:1,300ドル(約14万円)〜

好きなところ:コンパクトさ、再設計された外観、フルサイズのSDカードリーダー、優れた冷却・パフォーマンス、GTX 1650 Tiを搭載した最新のグラフィックス、新しいスピーカー設計、USB電力供給対応

好きじゃないところ:USB-Cポートがもうひとつあっても良い。ディスプレイによっては高額になる。AMD CPU、RTX GPUのオプションがあっても良かった

再設計された外観

まず注目すべきは、やはりサイズ感。全体的に小型化・軽量化されたのがわかりますが、特にヒンジ、蓋、アルミニウムの側面がシャープでくっきりしているのが印象的です。具体的な寸法は18 mm x 344.72 mm x 230.14 mm(8%薄く、約1.2センチ細く、前部から後部までは約1.7センチ浅め)で、重量は1.83 kg。かつてないほど、滑らかでしなやかなデザインになっています。

旧モデルと比べてみて

Dellが最新のXPS 15に加えた修正はまだ続きます。よもや見落としてしまいそうなボトルパネル部分に注目すると、旧モデルのプラスチックからアルミニウムパネルになっていました。これによりシステムの耐久性向上のほか、旧モデルで問題になりがちだったエアフローや冷却の向上も期待できます。

また、全体的なサイズは小さくなりましたが、キーボードのキーキャップ、タッチパッドも大きくなり、使いやすさを重視して作られたのがわかります。

Dell XPS 15(2020)レビュー:いま出回っているなかでもっとも万能なラップトップ!

15インチ16:10ディスプレイも旧来モデルとの大きな違いとして挙げられます。無駄がなく、スクリーンとボディの比率は93%。さらにステレオスピーカーはキーボードの両側に配置されたので、音がテーブルに跳ね返ることなく、スッと耳元に届くのも嬉しいポイントです。

ディスプレイはどう?

ベースのXPS 15でフルHDの非タッチスクリーン(1300ドル)、4K OLEDタッチスクリーン(3,000ドル超)まであるなか、米Gizmodoが今回レビューしたのは4K LCDタッチスクリーン式モデル(2,300ドル)で、たとえば動画編集をする人に最適です。

最大輝度497nitの光量計で画面を測定したところ、XPS 15はデルの主張通り500ニットの明るさを示してみせました。Adobe RGBの100%(またはDCI-P3の94%)をカバーする色域は、豊かで鮮やかな色を映し出すので関心せずにはいられません。

ポートに大きな変化あり!

USB Type-Aポートや旧式の充電電源アダプタを廃止し、新しいXPS 15では(右側面に)3.5mmオーディオジャック、フルサイズのSDカードリーダー、その隣にUSB-C 3.1がひとつ、(左側面に)Thunderbolt 3対応USB-Cポートポートふたつが備わっています。専用の電源ポートはなくなりましたが、充電や動画出力には3つのUSB-Cポートが使えます。

これに関して個人的には、MacBook Pro 16インチのようにUSB-Cポートが4つあれば便利だったように思います。ひとつ充電に使うとなると、残りは2つしかありません。でもDellは、Appleとはちがって無料でUSB-C-USB-A/HDMIドングルを同梱してくれています。ありがたいことです。

パフォーマンスも期待できそう

第10世代インテルCPUの新しいラインを搭載しており、パフォーマンスも期待できます。今回レビューしているi7-10875H CPU装備のXPS 15に関しては、Blenderで画像をレンダリングした際に同様のスペックであるMacBook Pro 16インチを打ち破りました。XPS 15はCPUレンダリングテストを4分29秒、GPUレンダリングを6分40秒で終わらせたのに対して、MacBook Pro 16インチは同じCPUレンダリングテストに7分41秒、GPUレンダリングテストでは8分58秒。ちがいは瞭然です。Handbrakeでは、XPS 15が4KビデオをフルHDに8分42秒で変換したのに対し、MacBook Pro 16インチは約6分遅い14分9秒という結果でした。

一方、グラフィックスパフォーマンスに関しては素晴らしい!というよりも、まぁまぁ良いといった具合です。最大Nvidia RTX 2060 GPUを搭載できる大型のXPS 17とは異なり、XPS 15は4GBのVRAMを搭載したGTX 1650 Tiグラフィックカードを搭載。このため、XPS 15はビデオ編集やゲームをプレイには十分パワフルですが、特に4Kディスプレイを選択する場合は、プレイする内容に応じてグラフィック設定を少し調整する必要がありそうです。

4K解像度でゲームしてみた

『シャドウ オブ ザ トゥームレイダー』を4K・画質:高の設定でプレイすると、フレームレートは16fpsしか出ず、解像度を1920 x 1200に下げる必要がありました(fpsは53に)。これは『ファークライ5』でも同様で、4K解像度の画質:ウルトラに設定すると最高でも16fps、フルHDに下げると最高で54fpsになりました。

基本的にゲーム機としてXPS 15を使う場合、フルHDは大丈夫ですが4Kは期待できません(おそらく多くの人にとってはそれで必要十分だとは思いますが、念のため)。

粗探しするわけではないけれど...

バッテリー寿命も改善されています。新しいXPS 15は、動画再生テストで8時間28分持ちました。去年のモデルでは7時間22分だったので、1時間以上伸びたことになります。バッテリーサイズはグラフィックスオプションによって異なります(56 WHrバッテリーと86WHrバッテリーがあります)。

アラを探す気はありませんが、正直「もっとXPS 15に欠点があれば良かったのに...」と思うところはあります。というのは、Dellには今後も改善を続けて欲しいと思うから。

たとえばフル稼働させる場合、ファンの音が少し大きく感じることがあります。それから膝に乗せて作業していると、底面が熱くなりすぎて(ショートパンツを履いているとなおさら)暑苦しいことも。ただ発熱に関しては、昨年のXPS 15と比較するとはるかに改善されて、ファンを回転させることなくより多くのタスクを実行できるようになっています。

あとは、第10世代Intelチップに並んでAMDのCPUを選べてもよかったなと思います。また、熱やパワーの増え方を考慮するとNvidia 20シリーズのGPUがあったら...と考えたくなります。採用しなかった理由もわかるんですけどね。

いま手に入る、ベストなラップトップ

上述したのは本当にマイナーな欠点です。XPS 15は基本的に、今市場に出ているラップトップのなかでも薄くて軽くてベストなモデルだと評価できます。

シグネチャーなスタイリングや特長を残しつつ、ほぼすべての要素が見直されたのがわかります。ディスプレイは省スペースになった一方で、より大きく鮮やかになりました。機体は薄く、より持ち運びやすくなり、パフォーマンスもバッテリー寿命も改善されています。

もちろん、これよりも大型のラップトップは、ゲーム中に1秒あたりのフレーム数を増やすことができますし、13インチの小型のノートブックは持ち運びが楽なことに間違いありません。ただ仕事、娯楽、一般的な日常のニーズまであらゆるタスクをこなすのに必要なラップトップをひとつしか選べないならば、XPS 15でほぼ決まりではないでしょうか。

README

・USB-Aポートは完全に廃止。充電はUSB-C対応、USB-C to USB-A/HDMIアダプタ付属。

・バッテリーサイズはグラフィックスオプションによって異なり、56 WHrバッテリーまたは、よりパワーを引き出す86 WHrバッテリーがあります。

・Intel Core i9 CPUを使用した構成はまだありませんが、Dellいわく「まもなく」選択可能になるとのこと。

・XPS 15の電源ボタンは指紋センサーとしても機能するほか、WebカメラはWindows Hello顔認識に対応。

・130ワットの電源アダプターはUSB Power Delivery対応。スマホやバッテリーパックだけでなくニンテンドースイッチなどの充電にも使用可能。