2021年もいよいよ締めくくりを迎える。今年もさまざまなスマートフォンが各社から投入された。トップシェアであるSamsungと高級路線のApple、伸びが著しい中国メーカー各社というこれまでの構図に変化があったのか、今年一年の市場の変化を海外市場と国内とでそれぞれ見ていこう。【写真】2021年7月~9月世界スマホシェア<世界市場ではAppleが躍進した2021年> 2021年の世界スマートフォン市場で大きくシェアを拡大したのは、Appleだ。IDCの調査によると、2021年第3四半期(7月~9月)の市場シェアは15.2%で、昨年同期比で20.8%も販売台数が増えている。 さらにGlobalStatsの調査によれば、今年の10月~12月におけるAppleの世界シェアはSamsungを上回っているという。これは、9月に発売された「iPhone 13シリーズ」による影響とみて間違いないだろう。同調査における昨年10月~12月のデータではAppleのシェアは2位だったので、iPhone 13は「iPhone 12シリーズ」よりも顧客に幅広く受け入れられた、という見方もできる。 一方でシェアを大きく落としているのが、中国Huaweiだ。同社はアメリカから部品やソフトウェアの輸出禁止措置を受けており、最新のソフトウェアや通信チップを製品に搭載することができない。そのような背景もあり、世界シェアでは3位の中国Xiaomiに大きく水を開けられている。<国内はApple一強が続くが、ソニーも健闘> 国内スマートフォン市場では、2021年もApple一強の体制が続いている。IDC Japanの報告によれば、2021年第3四半期のAppleのシェアは42.7%で、前年同期の43.9%からあまり変わっていない。 しかし2位以下のメンツは大きく変化している。特に一番シェアを伸ばしたのはソニーで、2020年の5.9%から2021年には11%と躍進している。ソニーはスマートフォン「Xperiaシリーズ」を、ミドルレンジからハイエンドまで多様なラインアップで展開し、消費者の心を掴んだようだ。 Samsungも2021年第3四半期には8%のシェアを獲得している。折りたたみスマートフォン「Galaxy Zシリーズ」など独自性の高い製品を投入したことが、シェア拡大の要因と考えられそうだ。<2022年もSamsungとAppleの2強に?> このように世界と日本のスマートフォン市場の動きを見ると、SamsungとAppleという2大プレーヤーの勢いは衰えておらず、むしろ今後伸びる様子さえみせていることがわかる。Samsungは次期発売が噂されているフラッグシップスマートフォン「Galaxy S22」のハイエンドモデルにスタイラスペンを内蔵するなど、さらなる機能向上を予定しているようだ。 一方で、これまで勢いがあった中国メーカーのシェアが小さくなっているのは気になる。XiaomiやOPPO、Vivoらはユニークな技術を意欲的に投入しているが、やはりHuaweiの下落が大きく影響しているようだ。 初代iPhoneの登場から14年以上が経過しても、まだまだ成長の余地を見せるスマートフォン市場。今後もAppleやSamsung、そして中国メーカーからどのような新製品が投入されるのか、実に楽しみだ。(Source)https://gs.statcounter.com/vendor-market-share/mobile/worldwide/#monthly-202012-202112https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prUS48342021https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prJPJ48393521
塚本直樹