P9から正統進化を遂げたHUAWEI最新フラッグシップ
HUAWEIのフラッグシップモデルHUAWEI P10(以下、P10)およびHUAWEI P10 Plus(以下、P10 Plus)がいよいよ日本国内市場に登場。
両モデルの違いは、
となっているが、今回はP10のダズリングブルーでレビューを行った。
P10のダズリングブルーとP10 Plusのダズリングゴールドは、背面にハイパーダイヤモンドカット仕上げが施されており、きめ細かくざらついている感触
製品名 | HUAWEI P10 |
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サイズ(高さ×幅×厚さ) | 145.3×69.3×6.98mm |
重量 | 約145g |
OS | Android 7.0 |
Emotion UI | EMUI 5.1 |
SoC | HUAWEI Kirin 960(2.4GHz×4+1.8GHz×4) |
RAM | 4GB |
ストレージ | 64GB |
外部ストレージ | microSD(最大256GB) |
ディスプレイ | 5.1インチ フルHD |
リアカメラ | 1,200万画素カラーセンサー+2,000万画素モノクロセンサー |
フロントカメラ | 800万画素 |
バッテリー | 3,200mAh |
SIMスロット数 | 2(Nanoサイズ)※SIMスロット2はmicroSDと兼用 |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 4.2 |
センサー | 指紋認証/加速度/近接/環境光/ジャイロ/HALL/コンパス |
右側面には音量ボタンと電源ボタンが配置。電源ボタンのエッジ部はメタリックなレッドがアクセントを添えている
底部にはUSB Type-Cポートとイヤホンジャックを配置
背面のカメラはP9に引き続きライカ製のデュアルレンズを搭載。でっぱりがなく完全にフラットな作りになっているため、カバーを付けないで使う場合でも傷がつきにくい
3G+4Gのデュアルシムデュアルスタンバイに対応。写真手前側にSIMスロット2は、microSDカードと排他利用のため、SIM2枚+microSDの同時利用は不可
Android 7.0+EMUI 5.1を搭載する本機は、通常のAndroid端末とは異なる独自の操作体験を可能にする機能が多数搭載されている。
中でも特筆すべきは、前面のディスプレイ下に配置された指紋センサーをナビゲーションバーの代わりにできる点だ。
戻る・ホーム・履歴の3つのボタンを、それぞれタップ・長押し・左右へスワイプで入力すること可能だ。
もちろん従来のように画面内にナビゲーションバーを表示させることもできるが、指紋センサーでの操作を有効にすれば、ナビゲーションバーが非表示になるため、5.1インチのディスプレイをフルに活用できるのだ。
また、指の関節で画面に触れて特定の動作をさせるナックルジェスチャーが非常に便利。
の3つのジェスチャーを利用することができる。
コンコンと2回たたくと全画面を、撮影したい範囲を描けばその部分だけをスクリーンショットとして記録することができる
c・e・m・wの4つの文字にそれぞれアプリを設定可能。よく使うアプリを登録しておくと便利
Android 7.0で実装された画面分割ももちろんサポート。関節で横ラインをひくと、そのラインで画面が分割される
P9に引き続き、ライカ製のダブルレンズで構成されたメインカメラを搭載するのもP10の特徴。
背景をぼかすポートレート写真を、複雑な設定なしに撮影できるなど、スマホのカメラでとは思えない写真が撮影できる。
夜間撮影モードを使えば、明かりがない場面でもくっきりと被写体を写すことが可能
なお、P10 PlusではF値が1.8で、より明るい写真が撮影できるようになっている。
また、P10/P10 Plusは、インカメラもライカレンズを搭載。
ローライト環境でも明るいセルフィ―撮影ができたり、複数人でセルフィ―を行おうとするとセンサーが感知し自動的に広角撮影に切り替わるなど、小難しいことを気にせず写真撮影が楽しめるハイスペックなカメラ性能を併せ持っているわけだ。
本機に搭載するSoCは、Android端末でメインストリームとなっているQualcomm Snapdragonシリーズではなく、Hisilicon製のKilin 960。
ベンチマークテストにてパフォーマンスを確認していこう。
まずは定番ベンチマークテストAnTuTu benchmarkを測定した結果、145,431をマーク。
スコアだけを見ると、昨年の同時期に登場したSnapdragon 820搭載機と近い数値となっている。
Snapdragon搭載機と比較して、3Dのスコアがわずかに低め。ゲームを除く実生活での利用シーンにおいてはじゅうぶんすぎるパフォーマンスと言えるだろう
続いて、グラフィック性能を計る3DMarkを実行。OpenGL ES 3.1対応のSling Shot Extremeプリセットを利用している。
スコアは1937と、こちらもSnapdragon搭載機よりやや低い結果に。
先代のP9と比べると飛躍的にパフォーンマンスが向上しているため、グラフィック性能に満足できていないP9ユーザーは買い替えの検討をおすすめする。
なお、Kirin 960のGPUコアMali G71は、グラフィックスAPIのVulkanをサポート。
対応するゲームでは高品質の映像体験が楽しめるようになるはずだが、現時点ではスマホゲームではあまり利用されていない。
『HIT』のグラフィック設定をいじってみたところ、最高グラフィックレベルである6には非対応。Galaxy S7 edgeなど、他のVulkan対応端末では6にできるので、Kirin向けに最適化されていないのだと思われる
少数派SoCを搭載ということで、スマホゲームユーザーとしては動作のクオリティはもちろん、そもそも起動するのかという点も気になるところだ。
2015年にZenFone 2などで採用されていたIntelのモバイル向けSoC Atomシリーズでは、いくつかのゲームアプリが起動しない現象を筆者自身も体験している。
P10へ移行する場合は、自分がプレイするゲームの推奨端末の確認や、SNSなどで実際に利用しているユーザーが発信する情報を調べて検討するようにしてほしい。
『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』(デレステ)の動作設定は、なんと2D軽量と判定された。
3D標準へ手動で設定してプレイしたみたが、低解像度でノーツの動きも滑らかではない印象で、快適とはいえないのが正直なところだ。
こちらは、3D標準でのライブ画面をスクリーンショット撮影したもの。せっかくのアイドルたちがぼやけてしまっている
これは従来のKirin搭載機でも同様の現象が確認されており、Kirin 960でも解決されていないことが判明した。
アプリ側がKirinプロセッサへの最適化を行わなければ、この現象は発生し続けるだろう。
また、
などを実際にプレイしてみたところ、特に致命的な不具合が起こったりはしなかった。
『逆転オセロニア』では、駒(キャラクター)のステータス詳細の確認や、バトル中に盤面にある駒のスキルの確認をする際、筆者が普段使っているZenFone 3だと1~2秒固まってから表示されることがあるのだが、P10ではそのような現象は見られなかったことは記しておく。
他にもいくつかゲームをインストールして、チュートリアルまでをプレイしたところ、どれも問題なく動いてくれたが、すべてのゲームがしっかりと動作するかは保証できない。
特にデレステのような音ゲーや、精密な操作を要求されるアクションゲームをプレイするユーザーは、レスポンスが異なるリスクを頭にいれておくべきだろう。
上記のような欠点を抱えつつも、快適な操作性を生み出す独自UIや、ハイスペックなカメラを備える魅力的な端末であることには変わりない。
機械学習により、ユーザーのアプリ利用状況に応じてRAMをあらかじめ割り当てる「HUAWEI ウルトラメモリ技術」も搭載し、よく使うアプリの起動が高速化も可能。
4GBの大容量RAMはいまや当たり前で、6~8GBを搭載する端末もある時代になってきたが、HUAWEIは4GBのRAMを効率よく活用することに重きを置いているそうだ。
インカメラまでライカレンズを搭載してセルフィー需要に応えるなど、あらゆるユーザーの欲求を満たせそうな端末となっており、4色のカラーバリエーション(P10 Plusは2色)から選べるのも楽しいポイント。
ゲーム以外のところも妥協したくない人に、ぜひ触ってみてほしい1台だ。
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