昨今のeスポーツの盛り上がりを受けて、各ゲーミングデバイスメーカーからは、FPSゲームなどで活躍するプロゲーマーの声を取り入れてデザインされたデバイスが登場している。
SteelSeriesが7月に国内発売を発表した「Prime」シリーズもまた、そうした競技シーンを想定したプロ向けのシリーズだ。Primeシリーズは、100人以上のeスポーツプロ選手の意見を取り入れて“勝つために設計した競技向けギア”を謳っており、マウス3モデルとヘッドセット1モデルが今回発表されている。
マウスは「Prime」「Prime+」の有線モデル2つに、「Prime Wireless」という無線モデル1つの計3種類。今回、その中から無線モデルのPrime Wirelessを借りることができた。同社の競技向けデバイスは一体どんな製品になっているのか、本製品の特徴などを紹介していきたい。
「Prime Wireless」の主なスペック | |
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参考価格 | 1万8480円 |
センサー | SteelSeries TrueMove Air |
センサー方式 | オプティカル |
最大解像度(CPI) | 18000CPI |
最大速度 | 400IPS(SteelSeries QcK表面で) |
最大加速 | 40G |
最大ポーリングレート | 1000Hz/1ms |
筐体メイン素材 | ABSプラスチック |
ボタン数 | 6ボタン |
スイッチのタイプ | Prestige OMメカニカルスイッチ |
重量 | 80g |
接続 | 2.4GHz/ワイヤレス |
バッテリー寿命 | 100時間 |
サイズ | 67.9(W)×125.3(D)×42.4(H)mm |
OS | Windows、Mac、Xbox、Linux |
ぱっと見はシンプルだが形状は独特
Prime Wireless
ひと昔前までは、遅延や接続安定性の面から、eスポーツ向けのデバイスは有線一択といった意見も多かったが、昨今は無線技術の進歩もあってか、無線のeスポーツ向けモデルも増えている。
今回紹介するPrime Wirelessも、無線接続のモデルだ。ゲーミングデバイスと言われると、派手なLEDやゴテゴテした形状を思い浮かべる人も少なくはないと思うが、本機の見た目はかなりシンプルになっている。
“プロ向け”を謳うモデルは、意外にも各社ともシンプルなデザインに落ち着いているものが多い。特にFPSなどのゲームジャンルにおいては、押し間違いの原因になる不要なボタンは極力少ないほうが好まれやすく、それよりも形状・サイズ・重量・センサー性能など操作性に影響する部分を突き詰めていった結果、見た目がシンプルになっている印象だ。
Prime WirelessもLEDはホイールの側面だけ、ボタンも左/右クリックとホイールボタン、側面の2ボタンと最低限になっている。ただ、正面から見るとわかるが、その形状はやや特殊だ。人差し指側と小指側の高さに極端な差があり、小指側が大きく下がる形状だ。また、親指を置く側面が深く内側に入り込んでいる。
人差し指側に大きく重心が偏ってる
親指部分の凹みが深い。側面ボタンは細め
これにより、力の入りやすい人差し指と中指、親指で重さを支えられるようになっているので、指の力だけでもマウスを持ち上げやすい形状になっている。ゲーム中、マウスがマウスパッドの中心から大きくずれてしまった際などはマウスを持ち上げてポジションをリセットする必要があるが、この操作がやりやすいというわけだ。
同社によれば、これは「つかみ持ち」や「つまみ持ち」に最適化されたデザインだという。マウスの持ち方は一般的に3つに分類されるが、中でも指を立てた持ち方に適した設計になっているということだ。
手と指全体がマウスに接しているのがかぶせ持ち。重いマウスも動かしやすい
指先と手の平でマウスを支えるのがつかみ持ち。指に力を込めやすく、素早いクリックが可能
指先だけでマウスを操作するのがつまみ持ち。手首を起点に機敏な操作が可能。マウスが小さいとこの持ち方になりやすい
つかみ持ちやつまみ持ちなどの指を立てた持ち方では、マウスとの接点が少なく、指の力だけで重さを支える必要がある。また、かぶせ持ちより手が丸まるため、大きいマウスだと先端に指先が届きづらい。
そのため、大きくて重いマウスよりも、自分の手に対して小さめで軽いマウスのほうが持ちやすいのだが、このマウスは67.9(W)×125.3(D)×42.4(H)mmと比較的大きめにも関わらず、こうした持ち方がしやすいのはなかなかの新感覚だ。質感はマットで、手汗をかいても滑りづらい。
80gと比較的軽い重量も、指で操作しやすい良いバランスといった感じだ。サイドボタンが小さめに作られているのは、指先に力が入ってしまっても誤入力しないための作りだろう。もちろん、かぶせ持ちでも持ちにくいということはないのだが、実際に持ってみるとつかみ持ちやつまみ持ち向けのデザインとされているのも納得だ。