Samsungがバッテリー発火問題を振り返る - スマホ発表はMWC 2017後の3月

Samsungがバッテリー発火問題を振り返る - スマホ発表はMWC 2017後の3月

IT・モバイルの展示会「Mobile World Congress 2017」の開幕前夜、Samsung Electronics(以下、サムスン)がスペイン・バルセロナ市内で新製品発表会を開催。Galaxyシリーズの最新タブレットが一斉にベールを脱いだ。

サムスンは例年、MWC本開催前日の当イベントに照準を合わせてフラグシップスマートフォンの「Galaxy Sシリーズ」を発表してきたが、今年は事前に最新モデルの発表は行わない方針が伝えられていた。そしてフタを開けてみれば、やはりGalaxy Sシリーズに関する発表はなかったものの、おそらくSシリーズの最新モデルに関連するUnpackedイベントが3月29日に実施されることが明らかになった。

3月29日にまた新製品Unpackedイベントが開催される

今回のMWCでは、タブレットの新商品となる「Galaxy Tab S3」や、2in1スタイルのWindows 10搭載タブレット「Galaxy Book」シリーズが主役を担った。Androidタブレットの「Galaxy Tab S3」は約9.7インチのモデルが1機種。カラバリはブラックとホワイトの2色となり、それぞれにLTE/Wi-FiモデルとWi-Fi専用モデルがそろう。3月24日から順次各取り扱い地域に展開される。

Windowsタブレット「Galaxy Book」は、10インチと12インチの2サイズ展開。それぞれにLTE/Wi-FiモデルとWi-Fi専用モデルを用意する。本体色はメタリックシルバーの1種類だが、付属するキーボード兼用カバーとスタイラス「Sペン」のカラバリがホワイトとブラックで異なる。

Galaxy Tab S3とGalaxy Bookの12インチモデルは、いずれも搭載しているディスプレイが「HDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)」の高画質映像コンテンツの表示に対応する。

以下、製品別にみていこう。

約9.7インチのAndroidタブレット「Galaxy Tab S3」

「Galaxy Tab S3」は約9.7インチの有機ELディスプレイを搭載するタブレット。OSにはAndroid 7.0、CPUにはクアルコムのクアッドコアプロセッサー「Snapdragon 820」をそれぞれ採用している。ディスプレイの解像度は2,048×1,536ドット(QXGA)。メインメモリは4GB。32GBの内蔵ストレージのほか、記録メディアとしてmicroSDカードも使える。

Samsungがバッテリー発火問題を振り返る - スマホ発表はMWC 2017後の3月

先述の通りディスプレイはHDRコンテンツを高精細に表示できる。ブルーライトから目を保護するための「ブルーライトフィルターモード」を載せた点も特徴だ。グラフィックスが緻密で動きの速いゲームコンテンツの表示性能を高めるため、高性能グラフィックスAPIの「Vulkan API」が搭載された。

背面にシングルレンズのカメラユニットを搭載。ボトムにはオーディオ機能のチューニングを担当したAKGブランドのロゴを配置

サムスンは本機の音楽再生のクオリティを「9.7インチのホームシアターシステムに匹敵する」と称している。鍵を握るのは本体の4隅に配備された新開発のスピーカーだ。音のチューニングは、オーストリアの老舗オーディオブランドであるAKGのエンジニアが担当している。AKGは昨年秋にサムスンが買収した米ハーマンインターナショナル傘下のブランドであることから、今回のコラボレーションが実現した。

サイドフレームの左右に合計4基のスピーカーを内蔵。USB Type C端子を採用している

タブレットの向きを縦・横に回転させた場合も、それぞれの向きに合わせてステレオ再生の左右チャンネルの音を最適化する「音声自動回転モード」を備える。イヤホンジャックから出力する音声もAKG独自のチューニングによるもの。展示された実機を試聴してみたが、解像感が高くクリアなサウンドはまさしくAKGの血統を継ぐ出来映えだった。

なお、サムスンでは今後もAKGブランドとのオーディオ面でのコラボレーションを密にしていく考えだ。次世代のスマホ新製品にはAKGのイヤホンを同梱する計画もあるという。

Galaxy Tab S3に同梱されるスタイラス「Sペン」は、ワコムとの共同開発によるものだ。ペン先を0.7mm相当に細くしたうえ、筆圧感度を高めたことにより、より繊細な文字やドローイングの表現の幅が広がる。ドイツの筆記具メーカーであるステッドラー社と共同開発した、鉛筆のようなデザインのSペンも別売オプションとして発売される。

0.7mm相当のペン先を実現した新しいSペン

内蔵バッテリーの容量は6,000mAh。駆動効率も高められており、12時間の連続動画再生が可能。メインカメラの有効画素数は1,300万画素、フロント側のカメラは500万画素。USB Type Cが1基付いている。