説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iPhoneではBluetoothでファイル転送できないの!?』という質問に答えます。
iPhoneはBluetoothに対応していますが、Bluetoothで制定されている多数の通信仕様(プロファイル)すべてをサポートするわけではなく、オーディオ出力やマウス/キーボードなど一部に限られます。Bluetoothの規格にのっとったファイル転送は、iOS標準装備のアプリはもちろん、サードパーティー製アプリでも対応していません。
Bluetoothにおけるファイル転送は、「FTP」というプロファイルで規定されていますが、iOSでBluetooth関連の機能を担うAPI「Core Bluetooth」ではFTPをサポートせず、結果としてFTPに対応するアプリは存在しません。なお、ここでいうFTPはインターネットのファイル転送プロトコルではないので注意しましょう。
もし、Bluetooth/FTPに対応するiOSアプリが存在すれば、Android端末やパソコン(Windows/Mac)とBluetoothで相互にファイル転送できますが、上述の理由によりかないません。AirDropのように、通信相手を探す段階でBluetoothが活用されることはありますが、FTPプロファイルがCore Bluetoothでサポートされていないこともあり、ファイル転送自体はWi-Fiなど他の通信方式が利用されます。
だから、Bluetooth/FTPを利用してAndroidやパソコンと直接ファイル転送することはできませんが、クラウドを経由するなど他の通信経路を活用するアプリを使うという手もあります。近距離のピア・ツー・ピア(1対1)によるファイル転送にこだわる場合は、iPhoneやiPad、MacといったAirDropをサポートするデバイスを利用しましょう。
MacからiPhoneにBluetoothでファイル転送しようとすると、「このデバイスには必要なサービスがありません」と表示されます |
