ASCII.jp デノン初の完全ワイヤレス、高級機のサウンドを9000円台からのお手ごろ価格で

ASCII.jp デノン初の完全ワイヤレス、高級機のサウンドを9000円台からのお手ごろ価格で

デノンは9月17日、ブランド初の完全ワイヤレスイヤホン「AH-C830NCW」「AH-C630W」を発表した。価格はオープンプライスで10月中旬の発売を予定している。

AH-C630NCW

AH-C630W

ホワイトとブラックの2色展開。AH-C830NCWはデュアルノイズキャンセル機能を搭載して実売2万円弱。AH-C630Wは機能をシンプルにし、実売9000円台になる見込み。

サウンドマスターこだわりの音が最大の特徴

AH-C830NCW/C630Wは、デノン初の完全ワイヤレスイヤホンだ。従来はスポーツタイプ、ネックバンドタイプのワイヤレスイヤホンがあったものの有線イヤホンを中心に展開してきた。

新製品のAH-C830NCW/C630は音質や接続性に関係する基本プラットフォームを共通化。デノンらしい高音質「Denon Hi-Fi Sound」をコンセプトの中心に据えて開発した製品だ。

ASCII.jp デノン初の完全ワイヤレス、高級機のサウンドを9000円台からのお手ごろ価格で

サウンドマスター山内氏が掲げる“Vivid&Spacious”をコンセプトにした、デノンならではの高音質を特徴とする。曲を一度聴き始めたら最後まで聴き続けたいと思う、音楽に没頭できるサウンドを目指した。開発に当たっては、イヤホン再生時に山内氏が感じる違和感の解消に注力。違和感とは、頭内に音が定位することで音の重層的な階層が見えなかったり、開放感に乏しいといったイヤホン再生特有の弱点のことだ。特に頭の外に音が広がる空間の広さが特徴で、山内氏も「いいものができた」というあまりない感想を開発陣にもらしたという。

ドライバーの説明

C830は11×10mmの楕円形ドライバー、C630は直径10mmの真円ドライバーを採用する。ともに完全ワイヤレス型としては大口径だ。重量は約5g(片側)で、「装着していることを忘れるほどの軽さ」とする。装着性にもこだわり、形状は合計24のサンプルから最も着け心地がよく、落ち着くものを採用した。スティックタイプを選んだのは、ベストポジションに落ち着きやすく、落ちにくく、落とした際にも転がらないといった点を重視したためだという。イヤーチップは傘部と軸部の厚みを変えた2層構造のシリコン素材を使用。音質重視で選んだ。コストもかかるが、価格を絞ったC630でも同じものを同梱する。

イヤーチップの選択にもこだわり、できれば純正の組み合わせで聴いてほしいとのこと

C830が搭載するノイズキャンセリング機能は、フィードバック/フィードフォワードの2方式を組み合わせたハイブリッド型。アルゴリズムの改善で、ヘッドバンド型の「AH-GC30」を上回るノイズキャンセル性能を出せたとする。スポーツや移動中の利用を考えて、歩行/走行時に発生する装着者自身の振動音についてもうまくキャンセルできるようにしている。

C830の内部構造

操作にはタッチセンサーを使用。C830では左側イヤホンのタッチセンサーに触れるとノイズキャンセル、外音取り込み、オフが順に切り替わる。とっさの状態でもスムーズに対応できるよう切り替え時のアナウンスは省き、効果音でモード変更が分かる仕様にしている。

C830はグーグルの「Fast Pair」にも対応。イヤホンを差し込んだまま、ふたを開けた状態でケースのボタンを2秒間長押しすることでペアリングモードに入る。ペアリングできる機器は最大8台。マルチポイント接続には非対応だ。

Bluetooth 5.0対応で、SBC/AACコーデックの利用が可能。通信安定性を高めるため、高出力なClass 1仕様として、アンテナには25mmと長いFPCアンテナを使用している。ただし、単にハードを用意すればいいのではなく、ソフトウェアによる適切な出力制御があっての通信安定性であり、そこにノウハウがあると説明している。

イヤホン部はC830/630ともIPX4相当の防滴仕様になっている。ケースの充電はUSB Type-C経由。イヤホンは10分の充電で50分の再生に対応するが、急速充電対応には敢えてしていない。これはバッテリーに対する負荷の低減や安全性に配慮したためだという。